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「君寵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

君寵の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
りつづけるのだった。 「只さえ、どうにかして、浪路さまを現在の御境涯から蹴落し、君寵《くんちょう》を奪おうと、日頃から狙《ねら》いに狙っている女性《にょしょう》....
源氏物語」より 著者:紫式部
無事閑散な御境遇でも、後宮にだけは平和の来ることはないのですから、第三者が見れば君寵に変わりはないと見えることもその人自身にとっては些細な差が生じるだけでも恨め....
盈虚」より 著者:中島敦
躍りかかり、胸倉を掴んで引摺り出すと、白刃を其の鼻先に突きつけて詰《なじ》った。君寵を恃《たの》んで無礼を働くにも程があるぞ。君に代って此の場で汝を誅するのだ。....
世界の裏」より 著者:国枝史郎
の瞬間には、氷塊の流れているネバの河水が、この露国宮廷と、上流社会とを腐敗させ、君寵を頼んで、政治外交にさえ口を入れ、ロマノフ皇朝を没落させた、稀世の妖僧の死骸....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
士の――サア・ウォルタア・ラレイだった。ウェストカントリイの代官の息子だったが、君寵によって数年の間に富と権力を併せ持つ出世ぶりだった。いろいろの特許や専売権が....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
ラ、そんな事をおっしゃるもんじゃありません。」 「むかしから頼みにならない事を、君寵《くんちょう》頼み難《がた》し。老健頼み難しなどというじゃないか。はははは。....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
だ。 岩間角兵衛にしてみれば、自分の世話した巌流が、今日かくのごとく名声を得、君寵も厚く、大きな邸の主ともなってくれて、その邸でこうして一杯の酒の馳走にでもな....
三国志」より 著者:吉川英治
も、その老いぼれを引っくくれ」 黄蓋も眦を裂いて、 「だまれ周瑜。汝、日頃より君寵をかさに着て、しかも今日まで、碌々と無策にありながら、われら三代の宿将にも議....
私本太平記」より 著者:吉川英治
宮の女性の喞ちごとであったが、廉子との御情交だけは異なものがあった。彼女の誇りも君寵も、眼にあまるものがある。 もっとも歴世、後宮の嬪には、大みきさきに次いで....
私本太平記」より 著者:吉川英治
たる。何しろ、御勲功の赫々たるほど、人の嫉っかみもしかたがあるまい。わけて特に、君寵義貞に厚しともあれば……」 「お、申し忘れた」 「なにを」 「三条高倉の家に....
茶漬三略」より 著者:吉川英治
――運の強い猿ではある。いかに才長けた、戦上手の男とはいえ。とか。 ――ちと、君寵も過ぎよう。というと、あいつに逆らった者、なぜか、みな亡びておる。何しても、....