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否
「否〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
否の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
、その悪評を是認するために、勇気が、沮喪《そそう》するという意味ではなく、それを
否認するために、その後の創作的動機に、反動的なものが加わるという意味である。そう....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ろうか、――こう云う疑惑でございました。私は勿論この疑惑の前に、何度思い切って「
否《いな》、
否。」と答えた事だかわかりません。が、本屋の店先で私の耳に「それだ。....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
聞えました。
それと同時にまた笠置山《かさぎやま》の方からも、さっと風が渡るや
否や、やはりその風の中にも声があって、
「髪長彦さん。髪長彦さん。私《わたし》は....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ていたらしく、静に佇《たたず》んでいたのです。しかもその人影は、私の姿が見えるや
否や、咄嗟《とっさ》に間近く進み寄って、『あら、もう御帰りになるのでございますか....
「河童」より 著者:芥川竜之介
)
×
もし理性に終始するとすれば、我々は当然我々自身の存在を
否定しなければならぬ。理性を神にしたヴォルテエルの幸福に一生をおわったのはすなわ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
を合せながら、心|静《しずか》にその日を待った。今はもう敵打《かたきうち》は、成
否の問題ではなくなっていた。すべての懸案はただその日、ただその時刻だけであった。....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
けさ》がその愛を衒《てら》っていた夫を殺そうと云うくらい、そうしてそれをあの女に
否応《いやおう》なく承諾させるくらい、目的に協《かな》った事はない。そこで己は、....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
ろうとした。この不思議を見た桂月香《けいげつこう》は裳《もすそ》の中へ手をやるや
否や、行長の首の斬《き》り口へ幾掴《いくつか》みも灰を投げつけた。首は何度飛び上....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
たるものにして、実見者の談によれば、格闘中同人が卓子《テエブル》と共に顛倒するや
否や、首は俄然|喉《のど》の皮一枚を残して、鮮血と共に床上《しょうじょう》に転《....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
蕩《たいとう》たる瞬間を、味った事であろう。彼は己《おのれ》を欺いて、この事実を
否定するには、余りに正直な人間であった。勿論この事実が不道徳なものだなどと云う事....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
に重大なるかは問うを待たず。この一家の主人にして妄《みだり》に発狂する権利ありや
否や? 吾人はかかる疑問の前に断乎《だんこ》として
否と答うるものなり。試みに天下....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
し。即ち原稿用紙三枚の久保田万太郎論を草する所以なり。久保田君、幸いに首肯するや
否や? もし又首肯せざらん乎、――君の一たび抛下すれば、槓でも棒でも動かざるは既....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
悦び、口早に女房にも告げ神仏の来臨の如く尊敬して座敷へ通し、何はさて置き伯父の安
否を問い、幾度か昔救われたることを述べ、予が労れをいたわりて馳走かぎりなし。翌日....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
であった。この外にリオンの「電気実験」、ボイルの「化学原理大要」も読んだらしい。
否、ファラデーはただに本を読んだだけでは承知できないで、マルセットの本に書いてあ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
た、人の屠殺を行うことに身を委ねている人たちを、われわれは軽蔑しているだろうか。
否。反対にわれわれはこれ等の人たちに名誉を与えている。彼等の体を金と輝かしい服で....