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否でも応でも
「否でも応でも〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
否でも応でもの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮浪漫語」より 著者:辻潤
ると、いつの間にか前から連続している世の中の色々な種々相や約束を押し付けられて、
否でも応でもその中で生きることを余儀なくせしめられる。自分の意志や判断が、ハッキ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
き、西は大津を経て京都にまで続いて行っている。東海道方面を回らないほどの旅人は、
否でも応でもこの道を踏まねばならぬ。一里ごとに塚を築き、榎を植えて、里程を知るた....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
して一朝一夕に生まれて来たものではない。 そこへ東山道軍の進発だ。各藩ともに、
否でも応でもその態度を明らかにせねばならない。尾張藩は、と見ると、これは一切の従....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
道中央の位置に住んで、山の中ながらに東西交通の要路に立っていた。この世の動きは、
否でも応でも馬籠駅長としての彼の目の前を通り過ぎた。どうして、新旧の激しい争いが....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
を感謝す」と畑で祈ると云う露西亜の老農の心もちには、中々東京附近の百姓はなれぬ。
否でも応でも境遇に我等は支配される。我々の邦では一切の事が兎角徹底せぬわけである....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
る、その一切を秘められた北へ北へと、私たちは見えない手に、グイグイ引っ張られて、
否でも応でも行かなければならないのだ。 北西の一峰を踰えたことを記憶している、....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
え、私が中へ這入って旦那に済まねえ、済まねえから二人で腕を押え足を押えて居ても、
否でも応でも旦那に思いを遂げさせなくちゃアならねえが、左様すればお前得心ずくでな....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
。私の行状の問題は解決したのだ。これから後はもうハイドになることができないのだ。
否でも応でも、私は今では自分の存在の善い方に限られたのだ。そして、おお、それを考....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ているものの、やはり社会大変革の手が当時の若者に分与した夢を抱いていたのだろう。
否でも応でも抱かねばならなかった立身出世の夢である。 今は昔で、既に過去となり....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
うだが多助さん段々金が貯って来ると使わなくっちゃならない事が出来てくるぜ、交際で
否でも応でも旨い物を喰い、好い衣服を着なければならないように成ってくるよ」 多「....
「真珠の首飾り」より 著者:神西清
のだ。ところが人生には、そうしたお誂えむきの事件はまことに少ないのだから、作者は
否でも応でも、その註文にあてはまった筋書をひねり出したり、でっち上げたりしなけれ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
に来る……月末の工賃はね、嫁入支度に預るいうて洗いざらい持って行って、――さあ、
否でも応でも今の亭主へ嫁るというと、それこそ、ほんに、抱えるほどな、風呂敷づつみ....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
問を行わないことにしているのであるが、相手が強情でどうしても自白しない場合には、
否でも応でも拷問を行う外はない。証拠の材料も揃い、証人もあらわれて、それでも相手....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
ら、私を信じて、安心して立派に踊って下さいな、ね、いいでしょう」 百合子の眼が
否でも応でも承知させずにはおかないというように鋭く光る、まゆみはその眼光に射すく....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
ない日本の昭和維新は断じてマルクス流に依るべきでない。否やりたくとも計画がない。
否でも応でもヒットラー流の実行先行の方式に依らなければならない。それには万人を納....