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含まる
「含まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
含まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「作物の批評」より 著者:夏目漱石
しくは自己の狭隘《きょうあい》なる経験より出でたる一縷《いちる》の細長き趣味中に
含まるるもののみを見て真の文学だ、真の文学だと云う。余はこれを不快に思う。 余....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
ならずしもないのである。 すべてこれらの誤謬は、論者がすでに自然主義という名に
含まるる相矛盾する傾向を指摘しておきながら、なおかつそれに対して厳密なる検覈《け....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
真実在と一致するのが最上の善ということになる。そこで道徳の法則は実在の法則の中に
含まるるようになり、善とは自己の実在の真性より説明ができることとなる。いわゆる価....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
のある、品のある、眉の秀でた、ただその口許はお妙に肖て、嬰児も懐くべく無量の愛の
含まるる。 一寸見には、かの令嬢にして、その父ぞとは思われぬ。令夫人は許嫁で、....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
衆文芸の発生、隆盛がかもし出されるのである。 この場合、勿論、科学の発達の中に
含まるべきことではあるが、特に文芸に於て注意して置くべきは、印刷術の発達普及とい....
「物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
うる事は明らかである。もっと新しい例を取れば質量に関する観念がある。質量は物体に
含まるる実体の量だというように考えたは昔の事で、後にむしろ力の概念が先になって、....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
して主観と客観との対立は生ずるであろうか。 氏はこの疑問に答えて、絶対者の中に
含まるる内容が内面的必然に分化発展するというのである。けだしこの説明は氏の根本の....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
d Human Personality は所謂「自動書記」の所産である。此書中に
含まるる論文は故フレデリク・マイヤーズ――詩人として令名があるが、特に心霊科学に....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ほとんど同じ形になっていた。絞首台の大柱は、ピクプュス小路とポロンソー街との中に
含まるるドロア・ムュール街の辺全体を占めており、その腕木は、鉄格子《てつごうし》....
「歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
みた。その人の説によれば視力の及ぶ距離は霧の滴の直径に比例し、空気の一定容積中に
含まるる水の量に反比例する。早くいえば霧が細かくて濃いほど遠くが見えぬのである。....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
て神の知恵を祈り求めます。 愛はたのしいよりも苦しいものですね。私は愛のなかに
含まるる犠牲というものをこの頃は深く感じます。そして愛の必ず十字架になることを思....