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含み
「含み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
含みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
じめ》な顔をして、こんな事を云う気にさえなりました。すると三浦も盃《さかずき》を
含みながら、『それ見るが好《い》い。己《おれ》がいつも云う通りじゃないか。』と、....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
采《ふうさい》の立派《りっぱ》な男である。桂月香はふだんよりも一層|媚《こび》を
含みながら、絶えず行長に酒を勧めた。そのまた酒の中にはいつの間《ま》にか、ちゃん....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
趣《いしゅ》を含んで居ったものと見える。何に意趣を含んだのじゃ?」
「何に意趣を
含みましたか、しかとしたことはわかりませぬ。」
治修はちょいと考えた後《のち》....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
す神妙を加えて行きます。
「いかがです? お気に入りましたか?」
主人は微笑を
含みながら、斜《ななめ》に翁の顔を眺めました。
「神品《しんぴん》です。元宰先生....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
手をかけて、「御免。」と、勢の好い声を出しました。するとすぐに「はい。」と云う、
含み声の答があって、そっと障子を開けながら、入口の梱《しきみ》に膝をついたのは、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。外界の標準というものは、古い人類の歴史――その中には凡ての偉人と凡ての聖人とを
含み、凡ての哲学と科学、凡ての文化と進歩とを蓄えた宏大もない貯蔵場だ――と、現代....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
國に追いつくため、自由主義よりも更に能率高き統制主義が採用された。ソ連の共産黨を
含み、あらゆる近代的社會主義諸政黨、三民主義の中國國民黨、イタリアのフアツシヨ、....
「海異記」より 著者:泉鏡花
」 とばかり三之助は口をおさえ、 「黙ろう、黙ろう、」と傍を向いた、片頬に笑を
含みながら吃驚したような色である。 秘すほどなお聞きたさに、女房はわざとすねて....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
ぐ。 女房 めし上りまし。 美女 (辞宜す)私は、ちっとも。 公子 (品よく盞を
含みながら)貴女、少しも辛うない。 女房 貴女の薄紅なは桃の露、あちらは菊花の雫....
「女客」より 著者:泉鏡花
け。」 「夢を見たかい、坊や、どうしたのだねえ。」 と頬に顔をかさぬれば、乳を
含みつつ、愛らしい、大きな目をくるくるとやって、 「鼬が、阿母さん。」 「ええ、....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
す折もつい伸々と心苦しく、お京様とは幾久しきおつきあい、何かにつけ、お胸にそのお
含み、なによりと存じ………… ――もう可い。――(完) 作者自から評して云う、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
った仕事ではないのですから、むろんいろいろ見落しはございましょう。その点は充分お
含みを願って置きます。機会がありましたら、誰かの臨終の実況を査べに出掛て見ても宜....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
れの弟子になったところが、とても仙人にはなれはすまい」 片目|眇の老人は微笑を
含みながら言いました。 「なれません。なれませんが、しかし私はなれなかったことも....
「墓」より 著者:秋田滋
聴席にはまたしても嘲罵の口笛が起った。 けれども、彼は、動ずる色もなく、心もち
含み声で語りだした。始めのうちはその声はやや低かったが、喋ってゆくにつれて、それ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
押止めて、眼を見合わせ少時無言、この時一番鶏の声あり。 得三は片頬に物凄き笑を
含みて、「八蔵。という顔を下より見上げて、「へい。「お前にもそう見えるかい。「何....