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含める
「含める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
含めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
群小詩人のひとり」と言えり。
問 彼は予が詩集を贈らざりしに怨恨《えんこん》を
含めるひとりなるべし。予の全集は出版せられしや?
答 君の全集は出版せられたれ....
「或る女」より 著者:有島武郎
「さ、もう放してくださいまし、船が出ますから」
ときびしくいって置いて、かんで
含めるように、
「だれでも生きてる間は心細く暮らすんですのよ」
とその耳もとに....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
に対しては次のように言われる。まず、負の方向に無限大の温度が存在するという仮定を
含めるような温度の尺度を作ることは決して不可能ではない。それにはたとえば、摂氏零....
「海異記」より 著者:泉鏡花
前決して、何んにもいうんじゃないよ、可いかい、解ったの、三ちゃん。」 と因果を
含めるようにいわれて、枝の鴉も頷き顔。 「むむ、じゃ何だ、腰に鈴をつけて駈けまわ....
「食魔」より 著者:岡本かの子
とも彼によって示唆されたが、椅子テーブルの点茶式や、洋食を緩和して懐石の献立中に
含めることや、そのときまで、一部の間にしか企てられていなかった方法を一般に流布せ....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
どうしても死ぬに決まっているが、それでも構わずに遣る気か、どうだと云って、噛んで
含めるように意見をすると、当人ももう大抵覚悟をしていたとみえて、今度はあまり強情....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
ないと帰納してよいじゃありませんか。どうです」 袋探偵は、若紳士に対して噛んで
含めるように説いたつもりであった。気の毒な若紳士よ。君はこの頃にはめずらしい神経....
「父」より 著者:金子ふみ子
父は私をその私立学校に、貧民窟の裏長屋に通わせるようになってから、私に噛んで
含めるようにいいきかせるのだった。 「ねえっ、いい子だからお前は、あすこのお師匠....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
いて、母様がどんなに苦労をなすって、丁寧に深切に、飽かないで、熱心に、懇に噛んで
含めるようになすったかも知れはしない。だもの、どうして学校の先生をはじめ、余所の....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
に走り寄れば、こはそもいかにこはいかに、彼等はことごとく生ける人にあらず、笑いを
含めるあり、六ヶ敷き顔せるありといえども、すべてこれ死してより幾千年をへたるにや....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
光局はつけ加えていい。 空の美しさ。それは紗の面布のようにすぐ近く唇にすすって
含めるし遠くは想いを海王星の果てまでも運んで呉れる。 巴里の空は寒天の寄せもの....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
たるふしなく、情も恋も 江戸紫や、色香いろはの 手習して、小机に打凭れ、 紅筆を
含める状を、垣間 見てこそ頷きけれ。 明治三十九年丙午十二月 鏡花小史 鳥差....
「妖怪学」より 著者:井上円了
という。人あるいは曰く、『地震うとき、破裂して火出ずることあり。これ、火の土中に
含めるなり。なんぞ土生火といわざる』と。その説、理あるに似たれども、いまだ極めざ....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
の女王なるべしといえば、水姓氏|頷ずき、嘉助氏も頷ずく。広義の高山植物は樹木をも
含めるが、狭義の高山植物は草花也。その草花の長さ一、二寸、大なるも四、五寸を出で....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
ゆる真、善、美、の形式をまず人々に与えて、理想の匂いを感覚より浸み込ませ、現実に
含める理想の価値をところを換えず即座に見出させようとする教法であります。このため....