吸収[語句情報] »
吸収
「吸収〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吸収の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
るように美しくなった。その肉体は細胞の一つ一つまで素早《すばや》く春をかぎつけ、
吸収し、飽満するように見えた。愛子はその圧迫に堪《た》えないで春の来たのを恨むよ....
「星座」より 著者:有島武郎
下すのを忘れなかった。生娘のように単純らしく思われる園の頭がよくこれだけのことを
吸収しうるものだ。つまりあいつの頭は学者という特別な仕事に向くようにできているん....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
の方なる蝦夷《えぞ》の島辺、すなわちこの北海道が、いかにいくたの風雲児を内地から
吸収して、今日あるに到ったかを。 我が北海道は、じつに、我々日本人のために開か....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ないというのは、我々の観測する星の光はその星の全輻射ではなくて、その外部雰囲気の
吸収によって弱められたものだからである(『宇宙の成立』六四頁参照)。 星の温度....
「一つの世界」より 著者:伊丹万作
いかぎり生きて行けなくなっている。 これは大資本の会社がどしどし小資本の会社を
吸収するようなもので、現在の戦争はよほどの大生産力がなければやって行けない。した....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
、いやそう驚かなくてもいいよ、先刻、君が口中で味い、胃袋へおとし、唯今は胃壁から
吸収してしまったであろうと思われる、アノ××××が、栄螺の内臓でなくして、実は、....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
害があった。 ◯蒲田の工場は当然疎開したものと思っていたが、欲ばっていて親工場へ
吸収される値段の吊上げを試みつつあり、そしてやられて元も子もなくしたものが軒並だ....
「空襲警報」より 著者:海野十三
かぶっているのを見て感心した。――そこで旗男もあわててスポリとかぶった。煙がその
吸収缶に吸われて、とたんに息がらくになった。姉たちは、その間に旗男のそばをぬけて....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
なき抜群の才識とは、まことに驚嘆に値するものがあった。彼は如何なる問題でも、之を
吸収消化せずという事なく、常に渾身の努力を挙げて、その研究にかかった。就中彼が畢....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
を見出しました。「独占」という事は私にはもう何の魅力も持たないようになりました。
吸収するだけのものを
吸収し、与えるものを与えて、それでお互いの生活を豊富にするこ....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
する、しつこい所が潜んでいる。其処に芸術家としての貪婪が、あらゆるものから養分を
吸収しようとする欲望が、露骨に感ぜられるのは愉快である。 今日の流俗は昨日の流....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
助ける外に、デビーの書いた物をも清書されている。 これまでのファラデーは智識を
吸収する一方であったが、この頃からボツボツと研究を発表を出したのもこの年で、「科....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
ず。語を換えてこれを言えば、西洋の文明をひとたびわが日本の腸胃に入れ、これを消化
吸収して一個の日本的の文明となさざるべからず。例えば、北米合衆国は共和政治にして....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
っているとおり、物が見えるということは、光が物にあたったとき反射するか、そのまま
吸収されてしまうか、または光がおれまがる具合によって、いろいろな色とか、形とかが....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
予備隊を準備し、数次にわたって敵の戦術的弱点を攻撃してなるべく多くの敵の予備隊を
吸収(即ち個々の攻撃は全軍の見地からすれば一戦闘である)し、敵予備隊の消耗を計っ....