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吸筒
「吸筒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吸筒の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
え斯うはなかった。ああ誰ぞ来て呉れれば好いがな。 しめた! この男のこの大きな
吸筒、これには屹度水がある! けれど、取りに行かなきゃならぬ。さぞ痛む事たろうな....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
う、兎も角もいらっしゃるならばお供をいたしましょう」 と弁当の用意を致し、酒を
吸筒へ詰込みまして、神田の昌平橋の船宿から漁夫を雇い乗出しましたれど、新三郎は釣....
「小春の狐」より 著者:泉鏡花
の茸を忘れて、草がくれに、偏に世にも美しい人の姿を仰いでいた。 弁当に集った。
吸筒の酒も開かれた。「関ちゃん――関ちゃん――」私の名を、――誰も呼ぶもののない....
「妖怪記」より 著者:田中貢太郎
。武士の方ではそんなことにはかまわず、さっさと上へあがって従者の持っていた割子や
吸筒を出して酒の用意をした。割子には柿などがあった。 「お酌をさすがよかろう」 ....
「野道」より 著者:幸田露伴
先生は二ツ折にした手拭を草に布いてその上へ腰を下して、銀の細箍のかかっている杉の
吸筒の栓をさし直して、張紙の※口|呑んだままなおそれを手にして四方を眺めている。....
「円朝の牡丹灯籠」より 著者:田中貢太郎
ていた。それは五月の初めのことであった。新三郎は釣に往っても釣に興味はないので、
吸筒の酒を飲んでいた。 新三郎は其の数ヶ月|前、医者坊主の山本志丈といっしょに....
「月世界競争探検」より 著者:押川春浪
いて耳元で声をかける。 「薬※」 「はい。」 と東助がさし出す気付を口に入れて、
吸筒の水を呑ませると、今迄息も絶え絶えに唸いていた博士は、ようように眼を開けた。....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
曵かせに行く途中であった…… 楽しかった……もうそこの茶店で、大人たちは一度|
吸筒を開いた。早や七年も前になる……梅雨晴の青い空を、流るる雲に乗るように、松並....
「挿話」より 著者:徳田秋声
、少しばかりの御馳走やおすしを、お箸で詰めかえていた。山遊びの弁当には酒を入れる
吸筒もついていて、吼※の蒔絵がしてあった。 「今でもこんなものを持ってゆくのかい....