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吹き捲く
「吹き捲く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹き捲くの前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幻影の盾」より 著者:夏目漱石
く日を海の底へ震い落す程の鬨《とき》を作る。寄するときは甲の浪、鎧の浪の中より、
吹き捲くる大風の息の根を一時にとめるべき声を起す。退く浪と寄する浪の間にウィリア....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
の怪しげな形をした雲が不気味な生物のように、伸びたり縮んだりしながら、東北の風に
吹き捲くられて西南へ西南へと流れて行った。 広々とした稍小高い丘に大小取交ぜ数....
「死者の書」より 著者:折口信夫
が、くるめき出したのである。雲は火となり、日は八尺の鏡と燃え、青い響きの吹雪を、
吹き捲く嵐――。 雲がきれ、光りのしずまった山の端は細く金の外輪を靡かして居た。....
「三国志」より 著者:吉川英治
ために、谷中の大火もいちどに消えてしまった。そして、濛々たる黒霧がたちこめ、霧を
吹き捲く狂風に駆られて、ふたたび紅い火が諸所からチロチロ立ち始めると、また、驚く....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
一触、もはや恐れるものはございませぬ」 北風はいよいよ強い。 あたりの陣幕を
吹き捲くり、その一端の裾が、武敏の半身へも、うるさく絡みついてくる。 「伝令。阿....