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「吹出し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

吹出しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
きぬのを知るばかり、八日を八百年と雨の中に籠《こも》ると九日目の真夜中から大風が吹出してその風の勢ここが峠《とうげ》というところでたちまち泥海《どろうみ》。 ....
妖術」より 著者:泉鏡花
麗かに晴れて、この分なら上野の彼岸桜も、うっかり咲きそうなという、午頃から、急に吹出して、随分風立ったのが未だに止まぬ。午後の四時頃。 今しがた一時、大路が霞....
朱日記」より 著者:泉鏡花
明方からこの風さな。」 「正寅の刻からでござりました、海嘯のように、どっと一時に吹出しましたに因って存じておりまする。」と源助の言つき、あたかも口上。何か、恐入....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
機関車は、N操車場へ着くに違いない――」 すると、今まで黙っていた喬介が、突然吹出した。 「……冗談じゃあない。内木さんにも似合わん傑作ですよ。ね。――もしも....
食魔」より 著者:岡本かの子
増した。とうとう痛みが来るようになった。医者も隠し切れなくなったか肺臓癌がここに吹出したものだと宣告した。これを聞いても檜垣の主人は驚かなかった。「したいと思っ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
燃焉。 永正八年。富士山鎌岩焚。 宝永四年十一月二十三日。富士山東偏炎上、砂灰を吹出し、関東諸国の田園皆埋没す。 以上記した十個の記録が、歴史あって以来富士に....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
から南海の果まで手を伸ばしている大腹中のしたたか者の蟠踞して、一種特別の出し風を吹出し、海風を吹入れている地、泣く児と地頭には勝てぬに相違無いが、内々は其|諺通....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
細の儀は承知の趣。 三 小次郎法師は、掛茶屋の庇から、天へ蝙蝠を吹出しそうに仰向いた、和郎の面を斜に見|遣って、 「そう、気違いかい。私はまた唖....
星女郎」より 著者:泉鏡花
。 やっと煙のような煙を吸ったが、どうやら吐掛けそうで恐縮で、開けた障子の方へ吹出したもんです。その煙がふっと飛んで、裏の峰から一颪颯と吹込む。 と胸をずら....
甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
よいか……どっちみち、私は、これ迄に、一人の女しか知らないので」 お力は思わず吹出して了った。 「まあまあそのお若さで、一人しか女を。……でもお噂によれば、新....
不周山」より 著者:井上紅梅
物足りなく、また何か多過ぎるようでもあった。そそるような微風が、温かに彼女の力を吹出して宇宙の中に満ち渡った。 彼女は自分の眼をこすった。 薄紅色の大空には....
染吉の朱盆」より 著者:国枝史郎
ナーニこっちの話でさ。……あそれじゃあ姐御、また来やしょう」 往来へ飛出したが吹出してしまった。 「あの物語りの謎解きをしようと、探ぐりに出たとはどうかしてい....
」より 著者:岡本綺堂
又次郎は竹縁に腰をおろした。 「風がすこし凪いだので、角蔵は沖へ出ましたが、また吹出したようでございます。」と、お豊は言った。「いえ、もう、冬の海商売は半休みも....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
。 竜次郎は不図小虎の方を見て吃驚した。女の手足の数ヶ所から、黒血をだくだくと吹出しているのだ。扨は小刀の切先が当って傷を付けたかと思ったのだ。併しそれは蛭が....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
け、頭にも同様の冠を戴き、仰向いて両眼を閉じつつ二人の肩に縋り、あたかも魚が水を吹出し吸入るるかのごとくにアップアップと、まるで精神を失ったかのように足を千鳥に....