吹出す[語句情報] »
吹出す
「吹出す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹出すの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「藁草履」より 著者:島崎藤村
それが湯滝のように顔を伝う、流れて目にも入る。白い鼻息は荒くなるばかりで、烈しく
吹出す時の呼吸に、やや気勢の尽きて来たことが知れる。さあ、源は激《あせ》らずにお....
「妖術」より 著者:泉鏡花
のさえ、確とは心着かぬ。 が、蔵前を通る、あの名代の大煙突から、黒い山のように
吹出す煙が、渦巻きかかって電車に崩るるか、と思うまで凄じく暗くなった。 頸許が....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
―そのままになっている。 灯無しで、どす暗い壁に附着いた件の形は、蝦蟆の口から
吹出す靄が、むらむらとそこで蹲踞ったようで、居合わす人数の姿より、羽織の方が人ら....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
出す半鐘の音……自動車ポンプの唸り……子供の泣き声、機を織る響……どこかの工場で
吹出す汽笛の音……と次から次へ無意識の裡に耳にしながら、右に曲り、左に折れしてい....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
。山家では何方にも一本ずつ有りまして、事が有れば必らず是を吹きますから、山之助が
吹出すと直隣でぶうーと吹く、すると又向うの方でぶうーと云う、一軒
吹出すと離れて居....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
かりなのを差出した。 床几の在処も狭いから、今注いだので、引傾いた、湯沸の口を
吹出す湯気は、むらむらと、法師の胸に靡いたが、それさえ颯と涼しい風で、冷い霧のか....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
の板障子をすらりと開けた。 「ご免なさいよ。」 頬被りの中の清しい目が、釜から
吹出す湯気の裏へすっきりと、出たのを一目、驚いた顔をしたのは、帳場の端に土間を跨....
「露肆」より 著者:泉鏡花
八ツ口の手を引張出して、握拳で口の端をポン、と蓋をする、トほっと真白な息を大きく
吹出す…… いや、順に並んだ、立ったり居たり、凸凹としたどの店も、同じように息....