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吹出物
「吹出物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吹出物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ら》は軒に這い下り、そり返った下見板の木目と木節は鮫膚《さめはだ》の皺《しわ》や
吹出物の跡のように、油気の抜けきった白ペンキの安白粉《やすおしろい》に汚なくまみ....
「皮膚と心」より 著者:太宰治
ぷつッと、ひとつ小豆粒に似た
吹出物が、左の乳房の下に見つかり、よく見ると、その
吹出物のまわりにも、ぱらぱら小....
「貨幣」より 著者:太宰治
となら、わたしはいつでも一緒に死んであげるのにさ』とでっぷり太った四十くらいの、
吹出物だらけの女中がいって、皆を笑わせていました。それから私は五年間四国、九州と....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
身で接吻して、うっとり眼をつぶってみたり、いちど鼻の先に、針で突いたような小さい
吹出物して、憂鬱のあまり、自殺を計った事がある。読書の撰定に特色がある。明治初年....
「愛と美について」より 著者:太宰治
で接吻して、うっとり眼をつぶってみたり、いちど、鼻の先に、針で突いたような小さい
吹出物して、憂鬱のあまり、自殺を計ったことがある。読書の撰定に特色がある。明治初....
「野狐」より 著者:田中英光
くつかの猛烈なジフリーズの写真。鼻が落ち、椿の花片のような痕が残る。両唇に無数の
吹出物、殊に女の局部の一面にビランした惨状。しかし私はその写真を瞼に描きながら、....
「うつり香」より 著者:近松秋江
またじき生えるのは生えるけれど」そういった。 はたして医者のいったとおりに顔の
吹出物はだんだん劇しくなって人前に出されない顔になった。そうなると私は故郷に年を....
「鬼涙村」より 著者:牧野信一
ゆるざくろ鼻というやつだが、ただ赤いばかりでなく脂光《あぶらびかり》にぬらついて
吹出物が目立ち、口をあくごとに二つの小鼻が拳骨《げんこつ》のように怒り鼻腔が正面....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
局の前から、お爺さんの笑顔を振り向かせた。この老人は、その妻の、跛足で唖の女と、
吹出物だらけの男の子と、ぼろぼろの一個の手提げとを全財産に終日|陽あしを探してそ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
すぎるまで他所の軒先で並んで一こと二こと喋ったりすることがあった。大岡少年は顔中
吹出物だらけの田舎者であった。ある日、倉庫の地下室を他の少年達もまじえて整理をし....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
執行人はきわめて穏和な人間だ。 群集は外部でますます高くわめいていた。 顔に
吹出物のある大きな男は、私に嗅がせるため酢にひたしたハンカチを差し出した。 「あ....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
ていて、もう、なっちゃいない。首がふとく、襟脚はいやに鈍重な感じで、顎の下に赤い
吹出物の跡を三つも僕は見つけた。僕の目算では、身丈は五尺七寸、体重は十五貫、足袋....
「地震雑感」より 著者:寺田寅彦
山の現象のみの研究をするのは、事によると、人体の生理を明らかにせずして単に皮膚の
吹出物だけを研究しようとするようなものかもしれない。地震の根本的研究はすなわち地....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の年ひどく流行した麻疹に感染して、一応はどうやら癒ったものの、病毒が廻って全身に
吹出物を生じた。薬湯に連れて行くにもあまり見苦しいので家人も億劫がっていたところ....
「かもじの美術家」より 著者:神西清
ルが二挺テーブルの上にあるぞ。首尾よく仕了せた者は、小判を持って退散するがよい。
吹出物ひとつ切るなり、頬ひげ一本やり損じた者があったら、たちどころに一命は貰い受....