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「吹込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

吹込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
》を乳の辺《あたり》まで固く締めて、縁先まで立出《たちいで》ました途端、プーッと吹込む一陣の風に誘われて、花弁《はなびら》が一輪ヒラ/\/\と舞込みましたのをお....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
が、ちら/\と雪が顔へ当り、なか/\寒うござります、雪も降止みそうで、風がフッと吹込む途端、提灯の火が消えましたから、 大「あゝ困ったもの」 と後へ退ると、長....
風流仏」より 著者:幸田露伴
、腹に饑をも補わず自然と不惜身命の大勇猛には無礙無所畏、切屑払う熱き息、吹き掛け吹込む一念の誠を注ぐ眼の光り、凄まじきまで凝り詰むれば、爰に仮相の花衣、幻翳空華....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
で、窓の柱に掛けてあったのが、暴風雨で帯を引裂いたようにめくれたんですね。ああ、吹込むしぶきに、肩も踵も、わなわな震えている。…… 雨はかぶりましたし、裸のご....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
釜の湯気の白けた処へ、星の凍てそうな按摩の笛。月天心の冬の町に、あたかもこれ凩を吹込む声す。 門附の兄哥は、ふと痩せた肩を抱いて、 「ああ、霜に響く。」……と....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
バラ/\と大粒が降って来ました。あゝ降出して来て困るだろうと思って居ると、ドーと吹込む風に灯取虫でも来たか行灯の火を消して真暗になりましたから、おくのは手探りで....
星女郎」より 著者:泉鏡花
縮で、開けた障子の方へ吹出したもんです。その煙がふっと飛んで、裏の峰から一颪颯と吹込む。 と胸をずらして、燈を片隅に押しましたが、灯が映るか、目のふちの紅は薄....
幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
。それから一寸ひっそりとなったが、今度は廊下の彼方の秋子の室全体が、麦酒瓶に息を吹込むように、うーッ、うーッ……と唸り出した。それが間を置いては、次から次へと高....
作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
て、それをウイスキー瓶の口にさした。気の狂ったようにバタバタとはためく窓を犯して吹込む騒々しい夜気が長い炎をユラユラと流れ旗のように揺めかした。そしてこの城の四....
雪霊記事」より 著者:泉鏡花
れて帰ったのであろうも知れない。 「ああ、酷いぞ。」 ハッと呼吸を引く。目口に吹込む粉雪に、ばッと背を向けて、そのたびに、風と反対の方へ真俯向けになって防ぐの....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
吹くなかに――見る見るうちに障子の桟がパッパッと白くなります、雨戸の隙へ鳥の嘴程吹込む雪です。 「大雪の降る夜など、町の路が絶えますと、三日も四日も私一人――」....
映画雑感(Ⅵ)」より 著者:寺田寅彦
唄合戦の揚句に激昂した恋敵の相手に刺された青年パーロの瀕死の臥床で「生命の息を吹込む」巫女の挙動も実に珍しい見物である。はじめには負傷者の床の上で一枚の獣皮を....
すみだ川」より 著者:永井荷風
に見せる。長吉はこの夕陽の光をば何という事なく悲しく感じながら、折々《おりおり》吹込む外の風が大きな波を打《うた》せる引幕の上を眺めた。引幕には市川《いちかわ》....
教育家の教育」より 著者:新渡戸稲造
こで今後国民としては、一方には大和魂の枠を発揮すると同時に挙国一致の精神を児童に吹込むことが肝要で、吾々教育の任に当る者がその精神で自らも協同して修養的教育を受....
」より 著者:永井荷風
足で掻乱《かきみだ》した狼藉《ろうぜき》の有様。竹構《たけがまえ》の中は殊更に、吹込む雪の上を無惨に飛散《とびち》る※《とり》の羽ばかりが、一点二点、真赤な血の....