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吾れ
「吾れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
吾れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
を傷《そこの》うた事も心づかずにこんな事をするのだ、悪気があっての事ではないと、
吾れ自ら頻《しき》りに解釈して居るものの、心の底のどこかに抑え切れない不平の虫が....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
と硬直した。 「おい、まだかね、まだ発見できないか」 白木は叫ぶ。私は、はっと
吾れに戻った。 「うん……もうすこしだ。頑張っていてくれ」 私は、心ならずも嘘....
「海底都市」より 著者:海野十三
支度《したく》をして下さい」 タクマ少年が僕に話しかけたので、僕はびっくりして
吾れにかえった。 「ああ危ない。もっとゆっくり道路を乗り移ればいいんです。おちつ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
軒下を出ていった。 僕は呆然とその不思議な若い女のあとを見送っていたが、やがて
吾れにかえると島田髷の女から貰った手拭で鉢巻をし、生命をかけた危ない目印を隠した....
「雷」より 著者:海野十三
さいほど噂には聞いていたが、思いがけなく、この奥に四郎が居ると聞かされて、お里は
吾れにもなくポーッと頬を赤らめた。とたんに両手に抱えていた花束が、急にズッシリと....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
間の心臓のことだと歌っているのである。ああ、あたしは吸血鬼! 青年紳士はハッと
吾れにかえった。賑やかな竜宮劇場の客席で聞けば、赤星ジュリアの歌うこの歌も、薔薇....
「軍用鮫」より 著者:海野十三
を高く天空にあげながら叫んだことであった。いわく、 「ああ偉大なる東洋鬼。されど
吾れはさらに偉大なり。君が卓越したるアイデアに、
吾れはさらに爆弾的ヌー・アイデア....
「最小人間の怪」より 著者:海野十三
出して、そんな乱暴をするなと私を押し停め、自分は逃げるつもりはないから、安心し、
吾れと語れといった。 私たちは、それからふしぎな会話をつづけた。その微小人間は....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
婦人が入って来た。妾はその婦人を一目みて、どんなに驚いたことであろうか。まことに
吾れながらその顔形といい、躯つきといい、髪や衣服の趣味、さては化粧の癖に至るまで....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
斃れた者などが続出した事実を、遺憾ながら信じなければならなくなった。敵をしりぞけ
吾れを護る任務のある索敵及び爆撃戦隊が闘わずして全滅の有様であった。ミルキ国はい....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
立てるから、立身出世が遅いのじゃ」 主席に、一本きめつけられ、油学士は、はっと
吾れにかえったようである。 「はっ、これは恐縮。で、その秘術は、かようでございま....
「振動魔」より 著者:海野十三
う機会にぶつかることがあったなら、十人が十人(悪いこととは知りながら)と言訳けを
吾れと吾が心に試みながら、そっと他人の秘密を盗みぎきするものなのである。僕の場合....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
――一路、司法官としての御成功を祈り、永遠に君と袂を別つ。而して記念のために今は
吾れに用なき「深夜の市長」の仮面を君に贈る。黒河内生―― 僕は「深夜の市長」の....
「赤外線男」より 著者:海野十三
村は呟いた。幾野課長の頸の真うしろに一本の銀鍼がプスリと刺さっていた。 一同は
吾れにかえると、赤外線男のことを鳥渡忘れて、課長の死骸の周囲に駈けあつまった。 ....
「地球盗難」より 著者:海野十三
から近づくと、赤い翼をもったのや青い胴体のものや、いろいろさまざまの形のものが、
吾れ勝ちに機首をこちらに向けて飛んでくるのであった。一体どこの飛行機なのだろう。....