呂律[語句情報] » 呂律

「呂律〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呂律の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
、人でなしじゃよ。………」 老人は、こう唾罵《だば》を飛ばしながら、おいおい、呂律《ろれつ》がまわらなくなって来た。が、なおも濁った目に懸命の憎悪《ぞうお》を....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
。 「どうだ、通訳しようか？」 譚はテエブルに頬杖《ほおづえ》をつき、そろそろ呂律《ろれつ》の怪しい舌にこう僕へ話しかけた。 「うん、通訳してくれ。」 「好い....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
バイエルタールは、妙にぎらぎらする瞳でマヌエラを見｜据えた。魔烟のために、大分｜呂律が怪しくなっているし、調子も、うきうきと薄気味悪いほどである。 「ところで、....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
笑ってやがる。手前達は支倉を知らねえのかい、あの悪党の支倉を」 定次郎は次第に呂律が廻らなくなって来た。 往来の真中で、而も大勢の見物に向って、へゞれけに酔....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
―」若旦那は、ありがたいか、暖かな、あの屋台か、五音が乱れ、もう、よいよい染みて呂律が廻らぬ。その癖、若い時から、酒は一滴もいけないのが、おでんで濃い茶に浮かれ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
それとも分からないとでもお言いなのですか。お蔭さまで、わたしはまだ正気でいるし、呂律もちゃんと廻っているのですよ」 リザヴェッタには夫人の言葉がよく聞こえなか....
「風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
れが私に猛烈に惚れて、私の部屋へ遊びにきて、まるでもうウワずって、とりのぼせて、呂律が廻らないような、顔の造作がくずれて目尻がとけるような、身体がそわそわと、全....
「母の上京」より 著者:坂口安吾
ミサンにまかせて、これより一軒づゝ、軒並みに蒲鉾小屋の巡礼が始まる。思念どころか呂律すらもすでにないので、ヒロシも観念して、たゞ影の形に添ふ如く悄々とついてくる....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
ないのである。 「言葉の発音が、そんなに変テコだったのかい」 「えゝ、ちょッと、呂律がまわらなかったです。言葉もそうでしたが、足の方が、ひどかったですね。伊東へ....
「小さな山羊の記録」より 著者:坂口安吾
から仕事への立直りを見出すためです。死のうなんて、そんな、バカな」 然し、私の呂律はまわらなかった。私の舌はもつれ、殆ど、言葉を思うように表現することが、七分....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
を曲げて、電気ブランを買ってきたのである。 小僧ッ子が酔っ払うと、目がすわる。呂律が廻らなくなることは同じことだが、理性は案外シッカリしていて、ちょッとした大....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
て、あしたから生きて行くことが出来ねえ。」 まったくよいよいに相違ありません。呂律のまわらない口でこんなことを頻りに繰返して呶鳴っているので、店の者はみんな困....
「暗号数字」より 著者:海野十三
むように大阪駅に入っていった。 「富山へ行くんだ。一つ切符をどうぞ」 彼はまだ呂律のまわらぬ舌で、切符売場の窓口にからみついた。ひどく飲みつづけていたらしい。....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
めて笑って、 「はや、足腰もよう利かんで、さし掛傘も杖の中じゃ。意気地はないの、呂律もよう廻らん、大分に嘘をついたからの、ははは。」 中山派の大行者で、若い時....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
は、歌は第一の句を短く歌ひて吉なりとぞ云ひける。又云ふ、今様は本体は律なり。然而呂律倶に存也。くゞつの様は呂音に歌ふなり。比巴法師の歌又呂音也。而｜傀儡の体にあ....