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呈する
「呈する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呈するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
いうものであった。 このへんから会議は、所謂《いわゆる》小田原評定的な調子を露
呈するに至った。無理もないことである。この連立方程式の答を出すには、方程式の数が....
「三の字旅行会」より 著者:大阪圭吉
区別のつかないような平凡な婦人なぞいつでも満員で、降車客もゴッタ返すような混雑を
呈するとはいいながらも、その妙な三の字を書いた荷札つきの手荷物を持った、三時の急....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
眼であった。老人の右の目にはいっていた入れ目であった。 「さ。これをキヨシ君に進
呈する」 老人は、気味のわるい贈物を、春木少年の方へさしだした。 なんという....
「奇賊は支払う」より 著者:海野十三
匿場所又はその生死を確かめて本社調査部迄密報せられたる方に対し、懸賞金一万円を贈
呈する!」 右は某新聞の記事であるが、この記事からも窺われる如く、事件発生三日....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
なったのかについても得るところがなかった。そして事件はようやく迷宮入りくさい観を
呈するに至った。 猫背の名探偵猫々は何をしていたか。 彼は、安東が心臓を盗ま....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
似たり、松杉を以て点綴せる山間の谷なれば、緑樹|長に陰をなして、草木が漆黒の色を
呈するより、黒壁とは名附くるにて、この半腹の洞穴にこそかの摩利支天は祀られたれ。....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
う。―― おお美わしのおとめよ、と賽銭に、二百金、現に三百金ほどを包んで、袖に
呈するものさえある。が、お誓はいつも、そのままお帳場へ持って下って、おかみさんの....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
籠めて遣せる一産物たるには相違ないのである。今や製本成り、紀念として之を座右に謹
呈するに当たり、この由来の一端を記すこと爾り。 淺野正恭 霊界通信――即ち霊媒....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
そうだし、引き受けたら最後八さん熊さんがホテルの大食堂に引き出されたような奇観を
呈するに決まつているのである。 もつともひつぱり出すほうではもつぱら奇景の探勝....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
に耳を傾けたり、士官の方をじろじろ見たり、あるいは空合を伺ってびっしょりの奇観を
呈するなど、慌てたような、落着いたような、人の悪いような、呑気なような、ほとんど....
「妖怪学」より 著者:井上円了
に動揺しやすき組み立てを有するをもって、これに些少の変動を与うるも、大なる動揺を
呈するの事情あり。第三に、一人これを動かせば衆人これに響応して、ますます著しき動....
「迷信解」より 著者:井上円了
しておると、他日、精神に異状を起こす場合には、やはり同じき状態に陥り、同じ現象を
呈することが多い。世の天狗憑きに関する話の往々一致することあるは、みなこの道理よ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
『おコックリ様、おコックリ様』と三べん唱えながら摩するときは、種々奇怪なることを
呈する由、云云」とあり。また、肥後国益城郡、柴垣氏の報知によるに、やや以上の仕方....
「層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
赤線直上し、その末火花となりて、半天に四散し、下界の煙火などには見られざる壮観を
呈するに、酒ますます味を加う。天幕は張らずに敷きて、一同その上に臥す。焚ける火が....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
あり。例えば婚礼式の節(宗派によりてはその他の儀式にも)には、多少の金を僧侶に進
呈するを例とす。わが国にて布施と称するものに同じ。 礼拝のときには、いずれの寺....