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呈出
「呈出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呈出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「兄たち」より 著者:太宰治
長兄から「めし」という随筆を、口述筆記させてもらって、編輯長のところへ少し得意で
呈出したら、編輯長はそれを読むなりけッと笑って、
「なんだいこれは。号令口調とい....
「未帰還の友に」より 著者:太宰治
に、……」という具合にあくまでもねばり、僕の財布の中にあるお金を全部、その主人に
呈出した。 「よろしい!」とその頭の禿げた主人は、とうとう義侠心を発揮してくれた....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
的の女にもこのくらいな作略《さりゃく》はある。素知らぬ顔の甲野さんは、すぐ問題を
呈出した。 「御叔父《おじ》さん、東塔とか西塔とか云うのは何の名ですか」 「やは....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
まってから、こんな事を聞く訳がない。現に長蔵さんは、赤毛布にも小僧にもこの質問を
呈出しなかったんでも分る。今考えると、ちょっと両人《ふたり》にも同じ事を聞いて見....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
。 司法大臣閣下。 もし事件が此のままで終ったならば、私はかかる書状を閣下に
呈出する必要は少しもなかったのであります。 ところが坂下鶴吉が処刑されてから一....
「今日の条件」より 著者:豊島与志雄
崩壊がある。 そこで、私はまた早速に言う。写実主義の文学、現実の赤裸々な相貌を
呈出することだけに止まる文学を、私は軽蔑する。もとより、文学は単なる夢物語であっ....
「佳日」より 著者:太宰治
にだけは努めて出席するようにしていたし、研究室にも二、三度顔を出して突飛な愚問を
呈出して、先生をめんくらわせた事もあって、その後、私の小さい著作集をお送りして、....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
府を危くすることとは異っておりまする。第八に、密貿易の証拠として御老中へ拙者より
呈出しおる物は、悉く調所殿が咎めを負うべき性質のもので、当家へお咎めがござりまし....
「絵画の不安」より 著者:中井正一
不安を構成している。私は、その両様の意味で受け取られるところの一つの警告をここに
呈出し、また検討してみたいと思う。そは、かのル・コルビュジエのかかげたる一つの命....
「スポーツの美的要素」より 著者:中井正一
的フンクチオンの深い象徴的運用として存在するのではないかということに対する問題の
呈出である。ソッシュールは将棋の運用構造を言語哲学的構造に適用して、相似的代入に....
「書記官」より 著者:川上眉山
げの条規を規定せるものなれば、かの払い下げ願書のごときも、さらに再びこれに拠って
呈出せざるを得ざるに至れり。 その閣令が官報紙上にまさに現われんとする前日なり....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
派な文章であった。これから河東君と余とは争って居士に文通し、頻りに文学上の難問を
呈出した。居士は常にそれに対して反覆丁寧なる返書をくれた。それは巻紙の事もあった....
「拷問の話」より 著者:岡本綺堂
ても老中の許可を得なければならないので、吟味掛りの与力一同からそれぞれに意見書を
呈出した。いずれも今日までの吟味の経過を詳細に書きあげて、所詮は察斗詰に行うのほ....
「申訳」より 著者:永井荷風
著作権を博文館に与えたという証書に記名捺印すべき筈もなく、又同書出版の際内務省に
呈出すべき出版届書に署名した事もないわけである。官庁及出版商に対する其等の手続は....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
結婚者の姓名を戸籍帳に登載するの権を有す。ゆえに、その宗の者は戸長役場に結婚届を
呈出するを要せず。非国教宗にては、僧侶その権を有せざれども、結婚の節は戸長役人そ....