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「呉々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呉々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
でも、あの大きい暖炉《だんろ》からでも、自由自在に出て行かれます。ついてはどうか呉々《くれぐれ》も、恩人「ぽうろ」の魂のために、一切|他言《たごん》は慎《つつし....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
そのコップも干さない内に、もう帰り仕度をし始めました。そこで泰さんもやむを得ず、呉々《くれぐれ》も力を落さないようにと、再三親切な言葉を添えてから、電車では心も....
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
たいと思いますので」 その節は、亡父の誼《よし》みもあり、東海道愛好者としても呉々《くれぐれ》も一臂《いっぴ》の力を添えるよう主人に今から頼んで置くというので....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
まいと見て取ったのだ、秀子が若し夏子でなければ、成るほど甚蔵は余に巴里へ行けなど呉々《くれぐれ》も云う筈はない。 斯様に思い廻して見ると、今まで秀子を輪田夏子....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
記より貰い受けしものにして、決して盗み出せしものに非ず、右御誤解なきよう願上候。呉々も小生居所についての御詮議は御無用に願度、卿等の如き弱輩の徒には到底尋ね出だ....
工場細胞」より 著者:小林多喜二
皆サンニ与エテ居ルノデアリマスカラ、コノ際決シテ、カヽル宣伝ニ附和雷同セザル様、呉々モ申述ベテ置ク次第デアリマス。 右工場長 森本はそれを読むのに何故かあせ....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
られてはならん、あなたは後から続いて、私一人でまいります」 と忠平にも姉の事を呉々頼んで、鴻の巣を指して出立致しました。五日目に鴻の巣の岡本に着きましたが、一....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
村父子を子とも家来とも思えと云い、木村父子に対して氏郷を親とも主とも思えと秀吉の呉々《くれぐれ》も訓諭したのは、善意に解すれば氏郷を羊の番人にしたのに過ぎないが....
良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
敬して、夫たる男性の手に適するかぎり家事の労力なども妻の助けとなるべきです。但し呉々も妻は己の職業に慢心して大切にして貰う夫に狎れ、かりにも威張ったり増長せぬこ....
わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
るものではなく、私はテキメンに自らの空虚さに自滅したようである。 千谷さんから呉々も云われたように、当時の私はまだ恢復が充分ではなかったところへ、暑気に当てら....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
、出版のことでは時々長平を京都まで訪ねていた。 青木は長平と会うたび、礼子から呉々もよろしくとのことだったよ、とか、上京の節はぜひ泊りにきてくれと頼まれたよ、....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
の子だといい張る勇気もないのです。 ではさようなら、最初にお願いして置いた事を呉々も忘れないように。立派なそうして正しい人間になって、幸福に暮して下さい。 (一九三四年六、七月号)....
雪の宿り」より 著者:神西清
これには一さい手をお触れにならず、わざわざこのわたくしを召出されて、文庫のことは呉々も頼むと仰せがございました。お屋敷に仕える青侍の数も少いことではございません....
荘子」より 著者:岡本かの子
道」を極める荘先生に好い影響さえお与え申したのだ。見当違いに恥じたりなさるな。と呉々も申し聞かせたのですが駄目です」 荘子は腕を措き眼を瞑って深く考え沈んで居....
ひとりすまう」より 著者:織田作之助
たします。でも、お会いしない方がいいのではないかとも思っています。では、お身体を呉々もお大切に。余り御無理を成されぬ様に。 明日子 追伸 轡川はもう大阪へ帰え....