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呉服
「呉服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呉服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
40
人だかりのまん中に立った糶《せ》り商人《あきゅうど》。彼は
呉服《ごふく》ものをひろげた中に立ち、一本の帯をふりながら、熱心に人だかりに呼び....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
綿《もめん》を六尺買わせて下さい。」
晒し木綿を手に入れることはわざわざ近所の
呉服屋へお松を買いにやるまでもなかった。
「しめるのはわしが自分でしめます。ここ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
ばらくの間《あいだ》は不承不承《ふしょうぶしょう》に、一昨年《いっさくねん》ある
呉服屋へ縁づいた、病気勝ちな姉の噂《うわさ》をしていた。
「慎《しん》ちゃんの所....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
《そもそも》の発端なのです。何でも六月の上旬ある日、新蔵はあの界隈《かいわい》に
呉服屋を出している、商業学校時代の友だちを引張り出して、一しょに与兵衛鮨《よべえ....
「或る女」より 著者:有島武郎
に来るまで快い安眠に前後を忘れていた。
二四
その次の朝女将と話をしたり、
呉服屋を呼んだりしたので、日がかなり高くなるまで宿にいた葉子は、いやいやながら例....
「星座」より 著者:有島武郎
の危地から自分を救いだす方策はすぐにでき上っていた。彼は得意先を丸めこもうとする
呉服屋のような意気で、ぴょこぴょこと頭を下げた。そのくせその言葉はずうずうしいま....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
話ずきであるから、玄関に引きも切れない来客の名札は、新聞記者も、学生も、下役も、
呉服屋も、絵師も、役者も、宗教家も、……悉く夫人の手に受取られて、偏にその指環の....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
ったので、車輪は極く小くして、轅を両腋の辺に持って、押して行く車で、今でも田舎の
呉服屋などで見受ける押車です。この車が大いに流行ったもので、三泣車がないと商家の....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
落行かねばならない羽目で、千葉へ行って芸妓になった。 その土地で、ちょっとした
呉服屋に思われたが、若い男が田舎|気質の赫と逆上せた深嵌りで、家も店も潰した果が....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
。 分けてこの二三日は、黒焼屋の蛇が売れ盛るって言います……誓文払で、大阪中の
呉服屋が、年に一度の大見切売をしますんでね、市中もこの通りまた別して賑いまさ。 ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
たに、御存じの汽車が、この裾を通るようになりましてからは、富山の薬売、城端のせり
呉服も、碌に越さなくなりまして、年一年、その寂れ方というものは、……それこそまた....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に人目を引くように、品物を店頭に陳列するような事はあまりないようでございました。
呉服物なども、良い品物は皆特別に織らせたもので、機織がなかなか盛んでございました....
「一老人」より 著者:犬田卯
私の記憶にあるのは、陽だまりに草履や笠を手づくりしている一人の老婆と、ささやかな
呉服太物の包みを背負って近村を行商して歩いていた四十先きの女房の姿である。この二....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
、客の方がかえって気の毒になる位、別段腹も立てなければ愛想も尽かさず、ただ前町の
呉服屋の若旦那が、婚礼というので、いでやかねての男振、玉も洗ってますます麗かに、....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
。 ある日――もう八月もなかばを過ぎていたと覚えている――慎太郎さんと東京のM
呉服店のMさんと私とは、どこをどうしたものか、小林区署のお役人と四人で白馬を登っ....