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「呉竹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呉竹の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幻談」より 著者:幸田露伴
。半井卜養《なからいぼくよう》という狂歌師の狂歌に、浦島《うらしま》が釣の竿とて呉竹《くれたけ》の節はろくろく伸びず縮まず、というのがありまするが、呉竹の竿など....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の辺に四谷の大番町様のお下屋敷がございますまいか」 やっぱりぐれている、ここは呉竹《くれたけ》の根岸の里の御行《おぎょう》の松、番町だの、四谷だの、何を言って....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
眼の下に見えますから……」 なるほど、この御行《おぎょう》の松の上へのぼると、呉竹《くれたけ》の根岸の里の寺々がよく見えます。 円光寺も見える。正燈寺も見え....
かげろうの日記」より 著者:堀辰雄
ない所で、私はその夜はまんじりともせずに過ごしてしまった。 その四 去年の春、呉竹を植えたいと思って人に頼んでおいたら、それから一年も立ったこの二月のはじめに....
源氏物語」より 著者:紫式部
そうである。北の東は涼しい泉があって、ここは夏の庭になっていた。座敷の前の庭には呉竹《くれたけ》がたくさん植えてある。下風の涼しさが思われる。大木の森のような木....
源氏物語」より 著者:紫式部
のつかぬふうであったから、歎息をしながら源氏は帰って行こうとした。縁に近くはえた呉竹が若々しく伸びて、風に枝を動かす姿に心が惹かれて、源氏はしばらく立ちどまって....
樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
《とも》に他郷の地をふまんとは、かけても思ひよらざりしを、行方なしや迷ひ……窓の呉竹《くれたけ》ふる雪に心|下折《したお》れて、我も人も、罪は誠の罪になりぬ」 ....
猫の穴掘り」より 著者:寺田寅彦
るから、恰度大砲の中から打出されたような心持がして面白い。打出されたところは昔|呉竹の根岸の里今は煤だらけの東北本線の中空である。 高架線路から見おろした三河....
都会の幽気」より 著者:豊島与志雄
の中の他の木口よりは比較的新しく見える、その落掛の木目から眼を滑らして、床の間の呉竹の軸物を眺め、次にまた書物の文字に見入ったが、暫くするとまたしても、右手の上....
霊感」より 著者:豊島与志雄
畳の道を進みますと、左手に、経塚の碑が大きく建っており、新しく植え込まれた檜葉や呉竹の茂みがあります。その茂みのそばに、地蔵さんは安置され、花が供えられ、無縁仏....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
がわるい。悪い車に乗りあわしたと後姿を目で追うと、ヤ、居る、居る。 女流作家の呉竹しのぶ。このお喋りにかかっては、一夜のうちにジャーナリズムへ筒抜けとなろう。....
魔都」より 著者:久生十蘭
」の門を走り出て、芝の方角へ。 それとちょうど堀一つ隔てた向い側、暁橋の袂。「呉竹」という奥深そうな家を先ほどからしきりに見張っている一人の人物がある。年のこ....
濁酒を恋う」より 著者:佐藤垢石
の春昔由縁英のうちの白酒売りの文句に『お腰の物は船宿の戸棚の内に霧酒、笹の一夜を呉竹の、くねには癖の男山』とある銘酒。この男山と富士の女神かぐや姫が舟で見逢いを....
大力物語」より 著者:菊池寛
の門外へ連れ出した。国司は、青くなって、「返す返す」と、悲鳴を揚げた。この女は、呉竹をねり糸のように、くしゃくしゃにする位強かった。ところがこうした強い女も、封....