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呟く
「呟く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呟くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
書物を腋《わき》の下に挟《はさ》んだまま、悠長な歩みを続けて行った。
が、そう
呟くか呟かない内に、もう一度かすかに雷《らい》が鳴って、ぽつりと冷たい滴《しずく....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
う》たる黄髪《こうはつ》の頭を、懶《ものう》げに傾けながら不相変《あいかわらず》
呟くような、かすかな声で、
「清くて読み奉らるる時には、上《かみ》は梵天帝釈《ぼ....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
、遠い空間へ漂《ただよわ》せながら、頭を稍《やや》後へ反《そ》らせてほとんど独り
呟くように、こんな途方もない事を云い出した。
「細《こま》かい事実の相違を挙げて....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
のっさりと、畳一ぱいに坐っていました。さっきこの婆のものを云う声が、蟇《がま》の
呟くようだったと云いましたが、こうして坐っているのを見ると、蟇も蟇、容易ならない....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
れません」 「そんならここで下りるから銭を返してくれ」 腹立つ者、無理言う者、
呟く者、罵《ののし》る者、迷惑せる者、乗り合いの不平は奴の一身に湊《あつ》まれり....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
。何とか云うのだった。この書はいくらか覚えがないと、文字が見えないのだそうだ。(
呟く)姉上は貴重な、しかし、少しあてっこすりの書をお拵えになったよ。ああ、何とか....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
、ちえッ、堪らない。あッはッはッはッ。」 「魔が魅したようだ。」 甘谷が呆れて
呟く、……と寂然となる。 寂寞となると、笑ばかりが、 「ちゃはははは、う、はは....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
がら、つくづく不平らしく、海に向って、高慢な舌打して、 「ああ、退屈だ。」 と
呟くと、頭上の崖の胴中から、異声を放って、 「親孝行でもしろ――」と喚いた。 ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
しゃれ。手荷物はあり、勝手知れぬ町の中を、何を当にぶらつこうで。」と口叱言で半ば
呟く。 「いや、まず一つ、(よヲしよし、)と切出さんと、本文に合わぬてさ。処へ喜....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
た。夜になると街道に出て声の嗄れるまで吠えた。さて草臥れば、別荘の側へ帰って独で
呟くような声を出して居た。 冬の夜は永い。明別荘の黒い窓はさびしげに物音の絶え....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
るみ総じまいにして、一箇々々袋へ入れたって、もう片が附く時分じゃないか。」 と
呟くうちに真面目になった、銑太郎は我ながら、 「串戯じゃない、手間が取れる。どう....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
ですもの。どんなことを言ったか、知りはしないわ」 妙子は遠藤の胸に凭れながら、
呟くようにこう言いました。 「計略は駄目だったわ。とても私は逃げられなくってよ」....
「初雪」より 著者:秋田滋
の水にじッと視入ったりしていた。 やがて彼女はまたしてもにっこり笑った。そして
呟くように云った。 「ああ! あたしは何て仕合わせなんだろう」 けれども彼女は....
「山吹」より 著者:泉鏡花
面倒ですね。ああ、しかし、人形は名作です――帰途にまた出逢うかも知れない。(半ば
呟く)貴女、失礼をいたしました。(冷然として山道の方へ行く。) 夫人 (二三歩あ....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
の山番の爺なりき。 「まだ帰らっしゃらねえの。おお、薄ら寒くなりおった。」 と
呟くがごとくにいいて、かかる時、かかる出会の度々なれば、わざとには近寄らで離れた....