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「周忌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

周忌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。歌女寿の家の前にはだんだんに人立ちが多くなっていた。 「ちょうど若い師匠の一周忌ですからね」 「きっとこんなことになるだろうと思っていましたよ。恐ろしいもん....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
うちで一両だけを渡して貰いたいと云いました。なんにするのだと聞くと、おふくろの一周忌がもう近づいたから、お長屋の人にたのんで石塔をこしらえて貰うのだという返事で....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
康は安房の侍従と呼ばれた人で、慶長八年十一月十六日、三十一歳で死んでいる。その三周忌のひと月かふた月前のことであるというから、慶長十年の晩秋か初冬の頃であろう。....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
身とはなり果てつ、知れる人の嫁入れ、婿|娶れと要らざる世話を懊悩く思いて、母の一周忌の終るとともに金沢の家を引払い、去年よりここに移りたるなり。もとより巨額の公....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
)がある。共に切実な歌である。二一一の第三句は、「照らせれど」とも訓んでいる。一周忌の歌だろうという説もあるが、必ずしもそう厳重に穿鑿せずとも、今秋の清い月を見....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
んでいたわけなんです。そのこてちゃんがちょうど去年の今頃に死んで、あしたがその一周忌の御命日にあたるというので、今もその噂が出たんですよ。」 この話をしている....
不良少年とキリスト」より 著者:坂口安吾
なければ、まことの文学は、書ける筈がない。 今年の一月何日だか、織田作之助の一周忌に酒をのんだとき、織田夫人が二時間ほど、おくれて来た。その時までに一座は大い....
血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
いら立しいとも、何ともいいようのない忍苦の一年は過ぎた。 恩師笠神博士夫妻の一周忌を迎えて、ここに公然と博士の遺書を発表することを許され、私は長い間の心の重荷....
くろん坊」より 著者:岡本綺堂
なってしまったので、源兵衛も内々注意していると、七月の盂蘭盆前、あたかもお杉が一周忌の当日に、かれは激しく狂い出した。 「黒ん坊。娘のかたきを取ってやるから、覚....
昔のことなど」より 著者:上村松園
の絵はその後誰に貸したものか貸し忘れて残っていないのは残念です。 楳嶺先生の一周忌でしたか三周忌でしたか、御苑内で遺作と一緒に弟子孫弟子の作品を並べたことがあ....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
…化払子に尾が生えつつ、宙を飛んで追駈けたと言わねばならない。母のなくなった、一周忌の年であった。 父は児の手の化ものを見ると青くなって震えた。小遣銭をなまで....
死児を産む」より 著者:葛西善蔵
せたのであるが、その時は幸いに無事だったが、月から計算してみて、七月中旬亡父の三周忌に帰郷した、その前後であるらしい。その前月おせいは一度鎌倉へつれ帰されたのだ....
父の葬式」より 著者:葛西善蔵
たちといっしょに暮すことになったのだが、ようよう半年余り過されただけで、義母の一周忌も待たず骨になって送られることになったのだった。実の母が死んですぐその年に義....
四つの都」より 著者:織田作之助
たれの力も借りたくなかったの。私はたゞ兄の戦死した土地で働きたい一心なの。兄の一周忌も、もう明後日ですわ」(眼がうるむ) 十吉、眼をぎょろ/\させている。 初枝....
情鬼」より 著者:大倉燁子
られて、世間を騒がしたが、結局自殺と確定された。 自殺に撰んだ日が亡き夫人の一周忌にあたり、しかも夫人の写真を懐に抱いていたというので、私は最初から自殺説を主....