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周旋
「周旋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
周旋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
避けて、町内の素封家《そほうか》N氏の別荘とかになっている閑静な住居《すまい》を
周旋された。私がこれから話そうと思うのは、その滞在中《たいざいちゅう》その別荘で....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
《くわ》えたり、鼻毛をぬいたりしながら、莫迦《ばか》にしたような眼で、舞台の上に
周旋する鼠の役者を眺めている。けれども、曲が進むのに従って、錦切《きんぎ》れの衣....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た。その昼のような光の中に、彼は泥のように酔《よ》い痴《し》れながら、前後左右に
周旋する女たちの自由になっていた。十六人の女たちは、時々彼を奪い合って、互に嬌嗔....
「或る女」より 著者:有島武郎
た夢心地の中に考えた。
葉子が東京に着いてから一週間目に、宿の女将《おかみ》の
周旋で、芝《しば》の紅葉館《こうようかん》と道一つ隔てた苔香園《たいこうえん》と....
「星座」より 著者:有島武郎
業に来た』、『社会問題の修業に来た』、『学資がないんだろう』、『そうだ』、『俺に
周旋《しゅうせん》しろというのか』、『まあそうだ』、『家は貧乏か』、『信州の土百....
「外科室」より 著者:泉鏡花
でどうするものか」 「はい」 「それでは御得心でございますか」 腰元はその間に
周旋せり。夫人は重げなる頭《かぶり》を掉《ふ》りぬ。看護婦の一人は優しき声にて、....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
頂戴よ、お茶を引く、わ」と、僕の手を払った。 「お前が役者になる気なら、僕が十分
周旋してやらア」 「どこへ、本郷座? 東京座? 新富座?」 「どこでもいいや、ね....
「河明り」より 著者:岡本かの子
て眉頭を衝き上げ、ちょっと剽軽な表情を泛べて、私の顔を見た。 「そこへあなたのご
周旋だったので、ありがたくお骨折りを受け容れた次第です」 ここで私は更に男に訊....
「孔乙己」より 著者:井上紅梅
ではない。だから二三日経つと番頭さんは「こいつは役に立たない」と言ったが、幸いに
周旋人の顔が利き、断りかねたものと見え、改めてお燗番のような詰らぬ仕事を受持たさ....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
は、時勢の然らしむるところとは申しながら、そもそも勝氏が一身を以て東西の間に奔走
周旋し、内外の困難に当り円滑に事を纒めたるがためにして、その苦心の尋常ならざると....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
朝、彼の耳へ、今もってぶらぶらしている女房からそんなことが伝えられた。洋服を着た
周旋屋がきょろきょろと隣村の停車場から下車して、この部落へも姿を現すのを彼とて知....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
温習を催す、素人義太夫の切前を語ろうという漢であった。 過日その温習の時、諸事
周旋顔に伝六木戸へ大胡坐を掻込んでいて、通りかかった紋床を、おう、と呼留め、つい....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
泣いた、華族の娘に取られようとは、どうです。 一人は医学士の意中を計った親類の
周旋。一方はその母親から持込んだ華族の縁談。 山河内定子は、今現に、山の井医学....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
るをも許されない境涯であった。二葉亭の日記に、「公債を買ひたい買ひたいといふゆゑ
周旋していよいよとなるといやになり、借家を買ひたい買ひたいといふゆゑ
周旋していよ....
「西航日録」より 著者:井上円了
ある カルカッタ滞在中は大宮氏の厚意をかたじけのうすること一方ならず、氏の奔走
周旋、実に至れり尽くせりというべし。同日午後十一時発の汽車にて、河口氏とともにガ....