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呱
「呱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呱の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ってきた。その果実は、どういうものになるのかしら?…… 初めて明るみに出たその
呱々《ここ》の声を聞いたとき、人の心を撃つ可憐《かれん》なるその小さい身体を見た....
「シェイクスピアの郷里」より 著者:野上豊一郎
の家に住んでいたということだけである。随ってウィリアム・シェイクスピアが此の家で
呱々の声を揚げたということは信じてよい。 入場料は一シリングで、西側の謂わゆる....
「『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
、われ等の生命を脅かす科学を、その他いろいろな科学を土台として、科学小説はいまや
呱々の声をあげようとしている。どんないい子だか、鬼っ子だか、誰も知らないが……。....
「魔都」より 著者:久生十蘭
う》八里のこの大都会の中には無量数百万の生活が犇めき合い、滾《たぎ》り立ち、いま
呱々の声を上げ、終臨の余喘に喘ぐ。ある者は陰険な謀殺を完了し、あるものは脳漿を撒....
「印象」より 著者:小酒井不木
いよいよ分娩が始まりました。やがて、銀盤を竹の箆で摩擦する音のような、いわゆる
呱々の声がきこえました。私は思わず、赤ん坊を見つめました。然し、生れた子には夫人....
「文芸は進化するか、その他」より 著者:平林初之輔
印刷術の発明を度外視しては説明されない。映画がセルロイド工業と密接な関係において
呱々《ここ》の声を上げたということは、この芸術の将来の無限の発展性を約束している....
「十五年」より 著者:山本実彦
感激や、倦怠の跡をざっとかいつまんでみよう。 雑誌『改造』が品川浅間台の一角で
呱々の声を挙げたのは、ちょうど、欧州大戦が片づいた大正八年の桜花ほほ笑む四月で、....
「巷の声」より 著者:永井荷風
ことの鋳掛屋を招いて書割の後から呼ばせたとか云う話を聞いたことがあった。 わが
呱々の声を揚げた礫川の僻地は、わたくしの身に取っては何かにつけてなつかしい追憶の....
「伝通院」より 著者:永井荷風
史を通読した時のような淋しく物哀れに夢見る如き心持を覚えるのであった。殊に自分が
呱々《ここ》の声を上げた旧宅の門前を過ぎ、その細密《こまか》い枝振りの一条《ひと....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
然な微笑に解していた。 黒い戦雲の下では、あんなにも人が死んで行き、ここには、
呱々の声が一つ新たに生れている。 「ふしぎだなあ!」 沁々と、彼は肺の深いとこ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
一族すべてをつれて立て籠ったため、彼女も良人と共に籠城の辛酸をなめ、清次はそこで
呱々の声をあげたのである。――だから生まれながら修羅矢たけびの中に怯え、母乳も出....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
でもすむことだが、順序として一通りいってみる。 中国山脈の山間の一城下に、彼が
呱々の声をあげた年は、天正十二年の三月だったといわれている。(一説に十年説や異説....
「アイヌ宗教成立の史的背景」より 著者:知里真志保
をがらりといっぱいに開けて戸外に飛びだします。すると、まもなく、赤ん坊は安らかに
呱々の声をあげて生れるものだったということであります。 ところで、最初の男が手....
「親鸞聖人について」より 著者:吉川英治
の世相は、どんなだったかをみてみましょう。 その没年の弘長二年から数えて聖人が
呱々の声をあげた九十年前は承安の三年。平家の終わりごろですね。さしも栄えていた平....