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味
「味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
味の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
うこう》に追いつめられた時の楚の軍は、たった二十八騎です。雲霞《うんか》のような
味方の大軍に対して、戦った所が、仕方はありません。それに、烏江の亭長《ていちょう....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
の本箱のほかに、洋書の書棚も並べてある。おまけに華奢《きゃしゃ》な机の側には、三
味線《しゃみせん》も時々は出してあるんだ。その上そこにいる若槻自身も、どこか当世....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
の要求と、ほとんど完全に一致するような形式で成就した。彼は、事業を完成した満足を
味ったばかりでなく、道徳を体現した満足をも、同時に
味う事が出来たのである。しかも....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
にはどうすることも出来ない。お互に運命だとあきらめましょう。」――大体そう云う意
味ですがね。それ以来妙子は今日までずっと達雄に会わないのです。
主筆 じゃ小説....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
んでいた。が、身震《みぶる》いを一つすると、ちょうど馬の嘶《いなな》きに似た、気
味の悪い声を残しながら、往来を罩《こ》めた黄塵《こうじん》の中へまっしぐらに走っ....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
ていた。「ジンゲジ」とは彼女の顔だち(ゲジヒト)の肉感的(ジンリッヒ)なことを意
味するのだった。僕等は二人ともこの少女にどうも好意を持ち悪《にく》かった。もう一....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
ぼう》な、山の手には勿論縁の遠い、――云わば河岸の鮪《まぐろ》の鮨《すし》と、一
味相通ずる何物かがあった。………
露柴はさも邪魔《じゃま》そうに、時々|外套《....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
が、「あすこですか? あすこには、何とかいう印度人の婆さんが住んでいます」と、気
味悪そうに返事をすると、匆々行きそうにするのです。 「まあ、待ってくれ。そうして....
「墓」より 著者:秋田滋
つまり、死んでしまったのです。一口に死ぬと申しますが、この「死ぬ」という言葉の意
味がお分りでしょうか? それはこう云うことなのです。そのひとは、もうどこを探して....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
その男が弾をこめたピストルを傍らに置いて書き綴った手記である。私はこれを極めて興
味あるものだと思う。絶望の果てに決行されるこうした行為の裏面に、世間の人が極って....
「初雪」より 著者:秋田滋
によって、卵の値段には幾サンチームかの上り下りがある。彼女にはその卵の値段にも興
味がもてるものだと云うことが解った。 夏だったので、彼女はよく野良へ行って、百....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
いえば、携え来りし着替を出し、独り夕方より観音へ参詣し、夜に入り蕎麦店へ入りて京
味を試み、ゆらりゆらりと立帰りしところ、裏のうち騒がしく「さても胆太き者どもかな....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
んとする者のために、大科学者の伝記があって欲しい。というのは、まず科学そのものを
味った人であることが必要であると同時に多少文才のあることを要する。悲しいかな、著....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
紳士風の人間のように思われ、荒っぽい田舎の男たちにくらべれば、はるかにすぐれた趣
味や才芸もあり、じっさい、学問ではただ牧師に及ばないだけだと考えられるものだ。だ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
いものなのだろう。私はそれが飲んでみたくなった。そして、舌の先を血に触れてみた。
味が好かった。だが、憐れむべきその小鳥には、血が少ししかなかった。私は望んでいた....