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味い
「味い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
味いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「初雪」より 著者:秋田滋
晴しッて、それアまた何のことだい? 芝居かい、夜会かい。それとも、巴里へ行って美
味いものを食べようッてのかい。だがねえ、お前はここへ来る時に、そういうような贅沢....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
紹介すると共に、二三、原文を引用して、上記の疑問の氷解した喜びを、読者とひとしく
味いたいと思う。――
第一に、記録はその船が「土産《みやげ》の果物《くだもの》....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
燈の光を反射している。自分はまるで誰かに欺《あざむ》かれたような、寂しい心もちを
味いながら、壁にはめこんだ鏡の前の、卓《テエブル》へ行って腰を下した。そうして、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
それはモー不思議なほど可愛くなるもので、事によると経験のないお方には、その真実の
味いはお判りにならぬかも知れません。 私の愛馬と申しますのは、良人がいろいろと....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
く捨てるに忍びない。私の生の欲求は思いの外に強く深く、何者をも失わないで、凡てを
味い尽して墓場に行こうとする。縦令私が純一|無垢の生活を成就しようとも、この存在....
「星座」より 著者:有島武郎
は言葉をつぐこともできなかった。
二人はお互の間に始めてこんな気づまりな気持を
味いながら、顔を見合せるのも憚《はばか》って対座していた。
「どうしてもお前はい....
「活動写真」より 著者:淡島寒月
た事がある。ちょっとパリジァンの意気な所があって、今日のチャプリンとはまた異った
味いがあった。チャプリンはさすがに米国一流の思い切った演出法であるから、それが現....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
にならって書かれたものである。 一体にこの頃のものは、話は面白かったが、読んで
味いがなかった。 ◇ 明治十三、四年の頃、西鶴の古本を得てから、....
「弓町より」より 著者:石川啄木
ほうとう》をした友だちに昔の女の話をされると同じ種類の不快な感じが起った。生活の
味いは、それだけ私を変化させた。「――新体詩人です」といって、私を釧路の新聞に伴....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の焼ぎんとんだよ、おあがり、今では宗旨が違うかい。連雀の藪蕎麦が近いから、あの佳
味いので一銚子、と言われて涙を流した。親身の情……これが無銭である。さても、どれ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
なさんな。 僭上だよ、無礼だよ、罰当り! お前が、男世帯をして、いや、菜が不
味いとか、女中が焼豆腐ばかり食わせるとか愚痴った、と云って、可いか、この間持って....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
ろぺろ)汚穢やの、汚穢やの、ああ、甘味やの、汚穢やの、ああ、汚穢いぞの、やれ、甘
味いぞのう。 朱の盤 (慌しく遮る)やあ、姥さん、歯を当てまい、御馳走が減りはせ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
泣より笑だねえ。」 お貞の言途絶えたる時、先刻より一言も、ものいわで渠が物語を
味いつつ、是非の分別にさまよえりしごとき芳之助の、何思いけん呵々と笑い出して、 ....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
。鉄瓶の音のみが耳に入るただ一つの音である。この静けさはただ雪の世界においてのみ
味い得るものだ。三人が顔を見合わせた時に、いままでの奮闘の悲惨と浮世はなれたこの....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
よい、盆栽園芸大によい、歌俳文章大によい、碁でも将棋でもよい、修養を持って始めて
味い得べき芸術ならば何でもよい、只其名目を弄んで精神を味ねば駄目と云う迄である、....