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味方
「味方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
味方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
で》を斜めに、流れ矢に射通された。
「お頭《かしら》にけがをさすな。射ろ。射ろ。
味方の矢にも、鏃《やじり》があるぞ。」
交野《かたの》の平六《へいろく》が、斧....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
うこう》に追いつめられた時の楚の軍は、たった二十八騎です。雲霞《うんか》のような
味方の大軍に対して、戦った所が、仕方はありません。それに、烏江の亭長《ていちょう....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
は俗人のように、そんな事は本当と思いますまい。わたしは忍術も使わなければ、悪魔も
味方にはしていないのです。ただ阿媽港《あまかわ》にいた時分、葡萄牙《ポルトガル》....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
り予の方にもまた頼みがある。何と、同じ金銀のためにする事なら、褒美の多い予の方に
味方して、利得を計ったがよいではないか。」
若殿様は鷹揚《おうよう》に御微笑な....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
すが早いか、一声高く嘶《いなな》いて、鼻づらを急に空へ向けると、忽《たちま》ち敵
味方のごったになった中をつきぬけて、満目の高粱畑《こうりょうばたけ》をまっしぐら....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
笑《ちょうしょう》を浴せかけた。最後に数人の若者たちは心から彼に信服した。が、敵
味方の差別なく彼等がいずれも彼に対して、一種の威圧を感じ始めた事は、打ち消しよう....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ぼうし》も何もない少年である。彼はやっと立ち上ると、思わず大声に泣きはじめた。敵
味方の少年はこの騒ぎにせっかくの激戦も中止したまま、保吉のまわりへ集まったらしい....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
か、突然大声に笑い出した。大声に、――実際その哄笑《こうしょう》の声は、烈しい敵
味方の銃火の中に、気味の悪い反響を喚《よ》び起した。
「万歳! 日本《にっぽん》....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
武器
正義は武器に似たものである。武器は金を出しさえすれば、敵にも
味方にも買われるであろう。正義も理窟をつけさえすれば、敵にも
味方にも買われるもの....
「或る女」より 著者:有島武郎
べながら二人の会話を聞いていた。あたりまえなら、葉子はたいていの場合、弱いものの
味方をして見るのが常だった。どんな時でも、強いものがその強味を振りかざして弱い者....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
合時代である。この時代には、前の時代において我々の敵であった科学はかえって我々の
味方であった。そうしてこの経験は、前の二つの経験にも増して重大なる教訓を我々に与....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ている。すなわち、目の届く限りの過去において、一般に科学者というものが常に人道の
味方としてその擁護に務めてきたからである。これは既に前に述べたファラオ並びに奇蹟....
「土俗玩具の話」より 著者:淡島寒月
征伐の時、清水寺の僧|円珍が小さい駒を刻みて与えたるに、多数の騎馬武者に化現して
味方の軍勢を援けたという伝説に依って作られたもので、これが今日|子育馬として同地....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
動は如何というに、甚だ平気にして干渉などの様子なきのみならず、日本人においても敵
味方共に実際|干渉を掛念したるものはあるべからず。 或は西南の騒動は、一個の臣....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
愛媛県知事)の命令で、労使ともに検束されてしまった。留置場はまさに呉越同舟、敵も
味方も一しょくたにされていたが、そのおかげで留置場内で話がまとまり、争議が解決し....