呼ばる[語句情報] » 呼ばる

「呼ばる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呼ばるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
或は親しんだ。 ここに山を愛し、山に冥通するがゆえに、山の祖神《おやのかみ》と呼ばるる翁《おきな》があった。西国に住んでいた。 平地に突兀《とっこつ》として....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
郎と呼びかえて下された。しかも泰親の一字を分けて、元服の朝から泰清《やすきよ》と呼ばるるのじゃ」 「千枝太郎泰清……ほんに立派な名乗じゃ。名もかわれば人柄も変わ....
海異記」より 著者:泉鏡花
て、千太は天窓から褞袍被ってころげた達磨よ。 ホイ、ア、ホイ、と浪の中で、幽に呼ばる声がするだね。 どこからだか分ンねえ、近いようにも聞えれば、遠いようにも....
小春の狐」より 著者:泉鏡花
あまのじゃくを訛ったか、「じゃあま。」と言い、「おんじゃ。」と称え、「阿婆。」と呼ばるる、浜方|屈竟の阿婆摺媽々。町を一なめにする魚売の阿媽徒で。朝商売の帰りが....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
たるのみ。景気の好いのは、蜜垂じゃ蜜垂じゃと、菖蒲団子の附焼を、はたはたと煽いで呼ばるる。……毎年顔も店も馴染の連中、場末から出る際商人。丹波鬼灯、海酸漿は手水....
琵琶伝」より 著者:泉鏡花
まず粛びたる声にて、 「お通。」 とばかり呼懸けつ。 新婦の名はお通ならむ。呼ばるるに応えて、 「はい。」 とのみ。渠は判然とものいえり。 尉官は太く苛....
死者の書」より 著者:折口信夫
が、助かるといの。 ほんまにその、天竺のおなごが、あの鳥に化り変って、み経の名を呼ばるるのかえ。 郎女には、いつか小耳に挿んだ其話が、その後、何時までも消えて行....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
ろう。平家没落の後は、ゆかりの人々も寄辺をうしない、それの姫君、なにがしの女房と呼ばるる、やんごと無き上※達もおちぶれて、たよりなきままに恥を忍び、浮川竹の憂き....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
組を組織して、しばしば朝鮮や明国の海岸をおびやかした。かの八幡船といい、胡蝶軍と呼ばるるのが即ちそれである。明国でも多年その侵略になやまされて、幾たびか我が国に....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
んだから仕方がねえ。論より証拠だ。」 若主人の名は市郎、この駅では第一の旧家と呼ばるる角川家の一人息子である。斯ういう山村に生れても、家が富裕であるお庇に、十....
奥羽地方のシシ踊りと鹿供養」より 著者:喜田貞吉
奥羽地方には各地にシシ踊りと呼ばるる一種の民間舞踊がある。地方によって多少の相違はあるが、大体において獅子頭....
くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
る為にクヾにしたのかも知れぬ。……傀儡子と呼ばれた昔の漂泊部曲が、又クヾツを以て呼ばるるに至つたのは、多分は特殊の袋を携帯して居た為で、袋を持つたのは日用品を之....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、極熱と極寒の両端を有する等は日本に同じ。しかして、南部は一年間に十三月降雨すと呼ばるるほどに雨多く、北部は年中全く雨なく、したがって草木絶無、ただ硝石を産出せ....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
ったものが流れ込んで、所謂河原者をなし、その或る者はエタと呼ばれ、或る者は天部と呼ばるるに至ったものではあるまいか。しからば所謂「エタの水上」なる京都に於いては....
牛捨場馬捨場」より 著者:喜田貞吉
従来もっぱら食肉用の獣と見なされて、その名称を俗にシシ(「宍」にて肉の義)とまで呼ばるるに至った程の猪や鹿の肉を喰った者でも、数十日ないし百日間神社参詣を遠慮せ....