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「呼吸困難〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呼吸困難の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
》の男を案内しながら先に立った。暗い長い廊下の両側に立ちならんだ病室の中からは、呼吸困難の中からかすれたような声でディフテリヤらしい幼児の泣き叫ぶのが聞こえたり....
闇の絵巻」より 著者:梶井基次郎
ざす白い電燈のところまでゆきつくと、いつも私は息切れがして往来の上で立ち留った。呼吸困難。これはじっとしていなければいけないのである。用事もないのに夜更けの道に....
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
じめてのときのような元気がなくなってしまったからで、それが証拠には今度はだんだん呼吸困難の度を増して浅薄な呼吸を数多くしなければならなくなって来た。 病勢がこ....
自叙伝」より 著者:大杉栄
もは目をさまして、互いにかじりついて、僕等の方を見つめながら慄えていた。 僕は呼吸困難で咽喉がひいひい鳴るのを覚えながら、なお彼女を追っかけて行った。彼女はさ....
怪星ガン」より 著者:海野十三
よりも、ずっとはげしい温度変化にたえ、寒さにも暑さにも強い。 ガン人は地球人が呼吸困難を感じはじめるくらいの空気密度の五十分の一の大気中で、平気で生きつづける....
火星探険」より 著者:海野十三
をそのままに放っておけば、艇内の空気はどんどん外へ出ていってしまい、艇内の人々は呼吸困難に陥らなければならない。だから空気洩れの箇所を調べ、もしもそれがあるとき....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
非常な奇異な思いにうたれつづけであった。 「寒くなったら、電熱服を着なさい。また呼吸困難になったら、酸素を吸入なさい」 山岸中尉は、成層圏になれない帆村と弟の....
関牧塲創業記事」より 著者:関寛
帰り、火辺にて煙の為に小虫の害を脱するを得たり。実に尚一時間も強て耐忍する時は、呼吸困難と、視る事能わざるに至らん乎。甞て聞く処あり、小虫の群集に害せられて危険....
香奠」より 著者:豊島与志雄
の夜中から、ひどい衝心に襲われたのです。 妻が行った時は、彼は頻繁に襲ってくる呼吸困難に、うんうん呻ってたそうです。それなのに、胸部に氷嚢もあててないんです。....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
うかべて、おめざめですか、と紅唇をひらくところであるが、全身コチコチに石と化して呼吸困難、言葉の通路はとッくに立ちふさがれている。 視線を動かすこともできない....
人生案内」より 著者:坂口安吾
、ついには男子として二十五まで育ちながら身体の変調に気づき同性の逞しい姿をみると呼吸困難を覚え思わず胴ぶるいが起るに至ったテンマツなぞをモノするに至った。六十何....
余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
近ごろの世相は私に精神的呼吸困難を感じさせることが多い。しかし、日本人がもしも本来の大和心というものを正....
」より 著者:織田作之助
けだす。急に立ち停る。ひどい息切れが来たのだ。胸の臓器を押しつぶしてしまいそうな呼吸困難である。駅の前が真っ白になる。赤い咳が来る。佐伯は青ざめた顔であわただし....
死の接吻」より 著者:小酒井不木
、彼は図書館を出て、公園を歩いた。白い土埃が二|寸も三|寸もたまって居て、暑さは呼吸困難を起させるくらいはげしかった。彼は木蔭のベンチに腰を下して、さて、これか....
変身」より 著者:カフカフランツ
うが、これが喘息もちで、家のなかを歩くのにさえ骨が折れる始末であって、一日おきに呼吸困難に陥り、開いた窓の前のソファの上で過ごさなければならない。すると妹がかせ....