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「呼掛け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呼掛けの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
光と風と夢」より 著者:中島敦
た。或る朝、船上で髭《ひげ》を剃《そ》っているとき、彼は背後《うしろ》から船長に呼掛けられた。「おい! どうしたんだ? 君は耳を剃落しちゃったじゃないか!」気が....
田舎」より 著者:プレヴォーマルセル
よ、わたくしはあなたの事を思わずにはいられませんのでした。御覧なさい。あなたをお呼掛け申しまする、お心安立ての詞《ことば》を、とうとう紙の上に書いてしまいました....
伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
偶と紫玉は、宵闇の森の下道で真暗な大樹巨木の梢を仰いだ。……思い掛けず空から呼掛けたように聞えたのである。 「ちょっと燈を、……」 玉野がぶら下げた料理屋....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
生出づるを忌み悩み、ここに、法力の験なる山伏に、祈祷を頼もうと、橋がかりに向って呼掛けた。これに応じて、山伏が、まず揚幕の裡にて謡ったのである。が、鷺玄庵と聞い....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
案内かたがた、手前も拝見をしましても……」 「願う処ですな。」 そこで、主人が呼掛けようとしたらしい運転手は、ふと辰さん(運転手)の方で輪を留めた。 「どうし....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
と雲にむせるように息が詰った。 「幕の内の人、」 美しい女は、吐息して、更めて呼掛けて、 「お前さんが言った、その二度添いの談話は分ったんですか。」 「それか....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
た、瞳が霑んで溜息して、 「立さん、立さん、」 と手を取ったまま、励ますように呼掛けて、 「憎らしいではありませんか。あの芭蕉が伸拡がって、沼の上へ押覆さるも....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
本篇では、もちろん、フランス人の名前に附けてある。また、フランス人が紳士に対する呼掛け語としてもこの語を用いる。 書入れしてない書式用紙に………… 当時、フラ....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
の方に相成りました。さて多助は道普請の金を持って四谷の押原横町へ出かける途中で、呼掛けられましたゆえ立留って、 多「はい、誰でがんす、誰方だえ」 と云いながら....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
に、うなだれて行く細り白い頸脚も、歴然目に見えて、可傷々々しい。 声を掛けて、呼掛けて、しかも聾に、大な声で、婦の口から言訳の出来る事らしくは思われない。……....