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呼称
「呼称〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
呼称の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「兄たち」より 著者:太宰治
、やがて小さい珠数《じゅず》を手首にはめて歩いて、そうして自分のことを、愚僧、と
呼称することを案出しました。愚僧は、愚僧は、とまじめに言うので、兄のお友だちも、....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
んだものと云われているからだよ。元来ウイチグスという人は、亜剌比亜・希臘の科学を
呼称したシルヴェスター二世十三使徒の一人なんだ。ところが、無謀にもその一派は羅馬....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
起きる。走る。ひた走りに走る。一瞬間のできごとである。私はこの瞬間を、放心の美と
呼称しよう。断じて、ダス・デモニッシュのせいではない。人のちからの極致である。私....
「惜別」より 著者:太宰治
るが、しかし、そんなにいちいち理由らしいものを取上げて言うまでも無く、ただ、俗に
呼称する「ウマが合った」とかいう小さい奇蹟は、国籍を異にしている人の間にもたまた....
「草藪」より 著者:鷹野つぎ
忽ち箱根山の綽名にまで転化されて行ったものだった。 病人に綽名は一種の親しみの
呼称で、そのまた適切な発見には感心されるものも尠くなかった。私自身も恐らく何らか....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
ちへ来なさい」 博士は興味のない顔で次の室へ。 「この大金庫の中には、世界一を
呼称する新兵器の設計書袋が五百五十種入って居る」 「ほう、五百五十種もですか」 ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
運転手を悦んだ。私が名を訊いたら彼は「第十九番」とだけ答えた。こうして19が彼の
呼称になったのだ。そしてこの黄瑪瑙の巻煙草パイプのように粋なランチャが、これから....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
女性として、彼女の眼にうつったらしい。 社長の実弟で低能に近い、「分家さん」と
呼称するところの重役は、私をうっとしい娘だと云った。しかし私は、にっこり笑ってみ....
「巷談師」より 著者:坂口安吾
通例である。彼らの共通の感覚で、この感覚の内容は私にはよく分らないが、先生という
呼称を空疎なもの、たとえば彼らと学校の先生との関係などをそれに当てはめ、私をもっ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
に抗議するようなことはしない。日本はX国から紙・石油・綿糸(これが先の総理大臣の
呼称と同じことで、実を書くと秘密が知れるから、品目の名はデタラメ)を買って、これ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
に居り、つまり彼らは精神的な異人だというような白眼視であった。私に「クロ」という
呼称の存在を教えてくれた長崎市民の一人は、明らかにそう考えていたようだし、浦上の....
「水垢を凝視す」より 著者:佐藤垢石
しかもこれは、鮎が好んで岸近いところを溯上する習性を物語るもので、『はたなめ』の
呼称が生れた所以である。『はたなめ』を『居付なめ』と間違ったら鮎は釣れない。 ....
「一ノ倉沢正面の登攀」より 著者:小川登喜男
、滝沢は全く手がつけられていない所である。 奥の壁の中、本沢(ノゾキの沢という
呼称はとらない)は下からでは衝立岩の陰になって全く窺う事が出来ない。その左の水の....
「国号の由来」より 著者:喜田貞吉
い、外国人はジャパンとも、ヤポンなどとも云っているが、この際国家において正確なる
呼称を定められたいと言うにあったらしい。一大帝国の国号がハッキリしないという事は....
「西航日録」より 著者:井上円了
。天工の巧妙なるに感じて、 天工錬石造奇形、絶妙使吾疑有霊、西俗所伝君勿笑、古来
呼称巨人庭。 (自然のたくみは石をねりあげて、すぐれた形を造った。その絶妙なるこ....