» 呼笛

「呼笛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

呼笛の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
片恋」より 著者:芥川竜之介
っとかなしくなったわ。眼に涙をためて、口を半分ばかりあいて……」 そうしたら、呼笛《よびこ》が鳴って、写真が消えてしまったんだ。あとは白い幕ばかりさ。お徳の奴....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
おいついて塀によじのぼった。 「あっ、あそこに! とうとうとびこみやがったんだ」呼笛が高く吹かれた。人々は集ってきた。泡だつ波紋を目がけて探照灯が何条も照らした....
深夜の市長」より 著者:海野十三
である。それは確かに夜勤の警官たちが同僚の密行警官や刑事たちを呼びあつめるための呼笛だった。――それはますますこっちへ近づいてくる。もうすぐに、向うの小暗い辻か....
大空魔艦」より 著者:海野十三
全員をその方に向けて、なんとしても取出すんだ」 「はい、承知しました」 船員は呼笛につれて、傾いた甲板の上を猿のように伝わって走ってゆく。 そのうちに、ああ....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
ういう訳か、一人の警官がいきなり飛び出して来て、背後から警部の胴中にしがみつき、呼笛を鳴らした。 本庄は夢中で走った。 × × ×....
猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
ろう」 と云ったのは、佐五衛門であった。 「季節違いだから鹿笛じゃアなし。……呼笛かな」 首をかしげ、眉と眉との間へ皺をたたんだ。 お蘭は立ち上がった。 ....
」より 著者:太宰治
らされていた。わかい巡査部長の号令に従って、皆はいっせいに腰から捕縄を出したり、呼笛を吹きならしたりするのであった。俺はその風景を眺め、巡査ひとりひとりの家につ....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
すてて武男は乱れうつ胸をいたずらにおし静めつつ足早に甲板に上れば、人影走せ違い、呼笛鳴り、信号手は忙わしく信号旗を引き上げおり、艦首には水兵多くたたずみ、艦橋の....
寺坂吉右衛門の逃亡」より 著者:直木三十五
るもんか) と、思ったが、押頂いて、懐へ入れた。富森助右衛門が、帯に入れる鎖、呼笛、鎖鉢巻、合印の布などの一纒《ひとまと》めにしたのを、配って歩いた。そして、....
鉄の規律」より 著者:平林初之輔
交通巡査は急いでかけつけて九十六号の箱の中をのぞきこんだ。それから彼はあわてて呼笛《よびこ》をとりだして力いっぱいふき鳴らした。 そのうちに、通行の人々や、....
ソヴェトの芝居」より 著者:宮本百合子
メイエルホリドはそこで幕にしない。つづけて直ぐ市長が発狂する。ピーピーつづけざま呼笛が鳴る。狭窄衣がとび出す。赤いプラカートがスルスルと舞台一杯におりて来て、舞....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
その時であった。 床下に潜んで、頃合を計っていた九鬼弥助は、ふところから用意の呼笛を出して口にくわえた。 緩い――しかし物々しい呼笛の音が、床下から、四方へ....