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命ずる
「命ずる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
命ずるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「貉」より 著者:芥川竜之介
じた如く、我々の内部に生きるものを信じようではないか。そうして、その信ずるものの
命ずるままに我々の生き方を生きようではないか。
貉を軽蔑すべからざる所以《ゆえん》である。
(大正六年三月)....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
生
――石黒定一君に――
もし游泳《ゆうえい》を学ばないものに泳げと
命ずるものがあれば、何人も無理だと思うであろう。もし又ランニングを学ばないものに....
「或る女」より 著者:有島武郎
事ができない。やさしく、愛らしく、しおらしく、生まれたままの美しい好意と欲念との
命ずるままに、おぼろげながら神というものを恋しかけた十二三歳ごろの葉子に、学校は....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
は打って変って神々しい威厳でクララを圧しながら言葉を続けた。 「神の御名によりて
命ずる。永久に神の清き愛児たるべき処女よ。腰に帯して立て」 その言葉は今でもク....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
中のどこよりも空気が悪いといわれるダーク・ステージの塵埃の中である。そこで会社の
命ずるままに夜間撮影をやり、徹夜の強行撮影をやり、ぶっとおしに翌日の夜まで働いて....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ぐずしていては、いいつけに背くことになる。あの立派な機関大尉が、まちがったことを
命ずるはずはない。こうなれば、その遺書に命ぜられたとおりを即時やるよりほかない。....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
死灰のごとく席に復して瞑目した技師がその時再び立った。ここに手段があります、天が
命ずるにあらず、地が教うるにあらず、人の知れるにあらず、ただ何ものの考慮とも分ら....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
を助けるよう――」 途中から女の子に呼戻させておいて、媼巫女、その孫八爺さんに
命ずるがごとくに云って――方角を教えた。 ずんぐりが一番あとだったのを、孫八が....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
。案内を乞うて来意を通ずれば、「珍しき人よりの手紙かな、こちらへと言え」と書生に
命ずる主公の声聞えたり。頓て書生にいざなわれて応接所へ通りしが、しばらくしてまた....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
人として罰している。しかし、われわれ人間は、この自然な、激しい殺戮を好む、本能の
命ずるところに従わないでいられないために、ときどき、戦争によって、一民族が他の民....
「妖怪学」より 著者:井上円了
例えば、囲碁社会にては本因坊は代々「秀」の字を襲い、画人狩野家にては「信」の字を
命ずるがごとし。これ、その名人の名を襲って、一部分なりとも、この名人に似んことを....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の天狗党がいよいよ旗上げしようとした時、八兵衛を後楽園に呼んで小判五万両の賦金を
命ずると、小判五万両の才覚は難かしいが二分金なら三万両を御用立て申しましょうと答....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
はまた、同じ仕事を甲にも乙にも丙にも一人々々に「君が適任だから骨を折ってくれ」と
命ずる。自分だけが命ぜられたツモリで各々一生懸命になって骨を折ってると、イツカ互....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
その他臨時の試験等によりて審定して、その可なるものはまず試補に命じ、つぎに訓導に
命ずるなり。試補の年齢は二十三歳以上、訓導は二十四歳以上、教正三十歳以上の規則あ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
交は今日のソ連外交にも劣らざる権謀、謀略の歴史であるとも言える。しかし我が国体の
命ずる道は道義治国であり、八紘一宇に依る御理想は道義による世界統一である。 ア....