命冥加[語句情報] » 命冥加

「命冥加〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

命冥加の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
ここを退《の》かっしゃい、助けられたが不思議なくらい、嬢様別してのお情じゃわ、生命冥加《いのちみょうが》な、お若いの、きっと修行をさっしゃりませ。)とまた一ツ背....
三人の相馬大作」より 著者:直木三十五
、残した物の無いのを確めてから、草の中を、静かに歩き出した。 「残念だ。津軽め、命冥加《いのちみょうが》な」 良輔が呟きつつ、ついて行った。 「併《しか》し、....
妖僧記」より 著者:泉鏡花
もあまり好きことはなかるべきなり、忘れてもとりもつべし。それまで命を預け置かむ、命冥加な老耆めが。」と荒らかに言棄てて、疾風土を捲いて起ると覚しく、恐る恐る首を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
お話です」 「悪いことという悪いことをしていながら、仏の異名《いみょう》を受けて命冥加《いのちみょうが》にありつき、こうして四十の坂を越しても、ともかく、ぴんぴ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
、早く癒って、また帰って来なさいと、主侯夫妻まで部屋に来て見送ってくださったが、命冥加にもどうやら命はとりとめた。二月の末に、病みあがりの、あと養生もしないで邸....
郷介法師」より 著者:国枝史郎
したのである。 郷介の出家を耳にすると、浮田直家は莞爾とした。 「利口な奴だ。命冥加な奴だ。……余りに鋭い彼奴の知恵、うかうかすると主人の俺が今度は寝首を掻か....
村井長庵記名の傘」より 著者:国枝史郎
財布を投げ出した。 「上にゃ上があるものだなあ」 「それでも器用に投げ出したね。命冥加の坊主だよ」 途端に、人影バラバラと物の影から現われたが、 「姐御、駕籠....
南国太平記」より 著者:直木三十五
振向いて 「ひゅっ、ひゅっ、ひゅじゃ」 と、笑いながら、尻を振った。そして 「命冥加《いのちみょうが》な大工め。戻れ。又、機があれば、深雪にも逢えよう。深雪は....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ある若い身空じゃ。命だけは助けて取らせるわ。これに懲《こ》りて以後気をつけい――命冥加《いのちみょうが》な奴め。行けっ。」 侍の太い声が伝二郎の鼓膜《こまく》....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
、数羽の雛とともに戯れている雷鳥、横合から不意に案内者が石を投じて、追躡したが、命冥加の彼らは、遂にあちこちの岩蔭にまぎれてしまう。此処が槍の直下だろうとて、荷....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
して、 「どうも、業腹でならねえ」 とか、 「忌々しい若造だぞ」 とか、 「命冥加な野郎だ」 などと、後のまつりに過ぎない繰り言を肴にして、 「親方、腹を....
私本太平記」より 著者:吉川英治
分していたなら、その素ッ首は、無事に、尊氏の許へは返されまい」 「…………」 「命冥加な奴ではある。かえすがえす、ありがたいと思え。したが、このことを以て、楠木....