命拾い[語句情報] » 命拾い

「命拾い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

命拾いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
犬と笛」より 著者:芥川竜之介
生駒山の駒姫《こまひめ》です。」と、やさしい声で云いました。 しかし御姫様は、命拾いをなすった嬉しさに、この声も聞えないような御容子《ごようす》でしたが、やが....
」より 著者:芥川竜之介
ましくなければ、今夜はここに泊《とま》って行って下さい。それから僕のお母さんにも命拾いの御礼を云わせて下さい。僕の家には牛乳だの、カレエ・ライスだの、ビフテキだ....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
ぐれに通りすぎた、その自働車の黄色塗の後に、商標らしい黒い蝶の形を眺めた時、全く命拾いをしたのが、神業のような気がしたそうです。 それが鞍掛橋《くらかけばし》....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れて、おそらく無事には済まなかったでしょうが、茂兵衛や銀八が早く召し捕られたので命拾いをしました。為吉の傷は重いので一時はどうだかと危ぶまれましたが、これもふた....
高野聖」より 著者:泉鏡花
なぞとは存じませぬ。) (何でも人間を乗っけられそうな馬じゃあござらぬ。お坊様は命拾いをなされたのじゃで、大人《おとな》しゅうして嬢様の袖《そで》の中で、今夜は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らひと月あまり寝込みました。ほかにも死人や怪我人がたくさんあったんですから、まあ命拾いをしたと云ってもいいでしょう。孤芳の家も三度目の爆発で吹き倒されました」 ....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
おびえ切って兎角、議案にまとまりがつかない様子であった。一座の中には、鬼村博士の命拾いまでを神経に病んで若しこの席から博士が立つようであれば、直ぐ様その後を追っ....
蠅男」より 著者:海野十三
のやり方に憤慨の色を示した。 怪しき女 「おい帆村君。僕はまた君のおかげで命拾いをした。お礼をいう」 と、村松検事は、帆村の手を固く握った。 「帆村はん....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
与五郎という人の屋敷をたずねました。兄さんの与茂四郎に逢って、ゆうべはお蔭さまで命拾いをしたという礼をあつく述べますと、与茂四郎は更にこう言ったそうです。 「ま....
単独行」より 著者:加藤文太郎
かるならんと思い少し梶をとりようやくスロープ緩きところに止り幸いなりき、あやうく命拾いしたり。それよりアイスピッケルを取りに行く困難言葉に表わされず、小石を拾い....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
耳に入ったので、彼はその晩私の家の方向へやって来たのだった。そのお蔭で母と私とは命拾いをしたのである。 ピューは死んでいた。まったくことぎれていた。母の方は、....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
て、私もしびれかけてしまったときに無理にアレをおしこんでもらって、幸い吐き下して命拾いしたことがあります」 女房の奴ギョッと目をまるくして思わず尻ごみしたもの....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
ったのでした。その人は本郷の済生学舎の近くに的場を遣っていられました。 全くの命拾いをしたはつが、どうお礼をしたものかと、人に相談しましたら、「あの人は身寄も....
子供役者の死」より 著者:岡本綺堂
が、ともかくも無事に帰されて来たので、みんなも先ずほっと息をつきました。六三郎は命拾いをして気がゆるんだのか、それとも過度の恐怖に打たれたのか、まるで狐の落ちた....
白い影」より 著者:小川未明
あげました。すると、大臣は、大きな体をゆすって、 「このたびは、脱線をしなくて、命拾いをしたというものじゃ。」と、驚いたような、喜んだような顔つきをしていいまし....