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「命日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

命日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
も次第に弱くなり始めた。二人は苦しい焦燥の中に、三年以前返り打に遇った左近の祥月命日《しょうつきめいにち》を迎えた。喜三郎はその夜《よ》、近くにある祥光院《しょ....
点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
り》長い葬列はいつも秋晴れの東京の町をしずしずと練っているのである。 僕の母の命日は十一月二十八日である。又戒名は帰命院妙乗日進大姉である。僕はその癖僕の実父....
星座」より 著者:有島武郎
は来なかった。父の死んだということが第一不思議なほど信ぜられなかった。毎日葬式や命日というような儀式は見慣れてきてはいたけれども、自分の家から死者の出たのは、園....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
すでに生命が通っていないのだった。闇から闇へ流れさった、その不幸な胎児の、今日は命日なのだ。その胎児にとって、今夜のこの話は、本当の意味の通夜物語なのだ。 こ....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
道稼ぎを退職る様な気持になったか、そして又何故毎年三月十八日、つまり十方舎の娘の命日に、こうしてH市の共同墓地へ墓参りに出掛けるか、お判りになった事と思います…....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
から、われわれ友だちの間にも、最早や世にない、死んだものと断念めて、都を出た日を命日にする始末。いや、一時は新聞沙汰、世間で豪い騒ぎをした。…… 自殺か、怪我か....
白金之絵図」より 著者:泉鏡花
、 「これは何ともお手を頂く。」 「何の、隠居さん、なあ、おっかあ、今日は父親の命日よ。」 と、葭簀を出る、と入違いに境界の柵の弛んだ鋼線を跨ぐ時、莨を勢よく....
縷紅新草」より 著者:泉鏡花
ほんのりしていた。 「……もう晩いんでしょう、今日は一つも見えませんわ。前の月の命日に参詣をしました時、山門を出て……あら、このいい日和にむら雨かと思いました。....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、あわれお雪は亡なりましたという添状。篠田は今でも独身で居りまする。二人ともその命日は長く忘れませんと申すのでありまする。 飛んだ長くなりまして、御退屈様、済....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
僧の時分、神隠しか、攫われたか、行方知れずになったんですって。見えなくなった日を命日にしている位でございましたそうですが、七年ばかり経ちましてから、ふいと内の者....
雪霊続記」より 著者:泉鏡花
て、食饌を備えるそうです。ちょうどその夜に当ったのです。が、同じ月、同じ夜のその命日は、月が晴れても、附近の町は、宵から戸を閉じるそうです、真白な十七人が縦横に....
山吹」より 著者:泉鏡花
人形使 往生寂滅をするばかり。(がぶりと呑んで掌をチュウと吸う)別して今日は御命日だ――弘法様が速に金ぴかものの自動車へ、相乗にお引取り下されますてね。 万屋....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
たのはここからという蓬莱橋から、記念の浴衣を供養した。七日経ってちょうど橘之助が命日のことであった。 「菊ちゃん、」 「姉さん、」 二人は顔を見合せたが、涙な....
魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
いる証拠もないので行方不明ということになりましたが彼が発見されるまでは失踪の日を命日とすることに定めたのです。 三年目の祥月命日、即ちこの遺書を認める前日私は....
消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
が行方不明になってから恰度何年目かの同じ日なんですの。亡くなられた六条松子夫人の命日に、夫人を崇拝している人達が集って、追悼会を開いたんです。その席上にあの小宮....