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和らぐ
「和らぐ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
和らぐの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
に取囲まれて、静かな月日が流れてゆく。人は恢復期《かいふくき》の悦《よろこ》びに
和らぐ眸《ひとみ》をどうしても向うに見える樹木の残映にふりむけたくなるのだ……。....
「我に叛く」より 著者:宮本百合子
ち通しさ」 「――まあ、そんな?」真木の無感興な原因が推察され、ゆき子は幾分心の
和らぐのを感じた。 「余程前から帰っていたの?」 「いいえつい先刻《さっき》。―....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
としての人懐しさがある。その願いは外に出道を求めずにはおかなかった。私は反抗心の
和らぐとともに、独りの生活に寂しさを感じだした。私は遠くの友には、かえって前より....
「夜の靴」より 著者:横光利一
ときの参右衛門ほど露骨に不満を泛べる我ままな顔は少いであろう。しかし、これが一旦
和らぐと、子供も匐いよりそうな温和な顔に変って来る。鬼瓦と仏顔が一つの相の中で揉....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
も彼もが時間を浪費し骨を折って暮しているから、あの人も同じだ、というところに心の
和らぐものがあるわけです。 心が
和らぐと云えば、わたしはこの頃そうなのよ。ゆっ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
四つ這《ば》いになって路次の中に身を潜めた。そして間もなく狼狽《ろうばい》の情が
和らぐと、あたかもだれかに追っかけられるのを恐がったかのように、足に任して逃げ出....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
かくいう時、人は我々の袂《たもと》を引き止めるかも知れない。時として論の鋭利を
和らぐる方法となる概括を人は持ち出すかも知れない。そして、すべての職業、すべての....
「怒りの虫」より 著者:豊島与志雄
は炬燵布団に顔を伏せた。 ≪俺がいま、彼女を抱きしめてやったら、彼女の心はすぐに
和らぐだろう。然し、そのことがいったい何だ。俺自身、自分の肉体に愛想がつきてるじ....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
宗教というものは何も問題とする必要はない。日々の生活になくてはならないもの、人と
和らぐうえにおいて、また闘ううえにおいて、あらゆるうえにおいて、宗教というものは....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
で……」 こういう意味のことを、恐る恐る述べました。それで父の意も解け、顔色も
和らぐことかと思ったのは間違いで、父は恐ろしく厳励しい声で、私に怒鳴りつけて来ま....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
ただ願わくばあなたの特長を生かしきって下さい。そこに必ず普遍性が現われて、万人と
和らぐ道が通じることを信じます。あなたに Herz が欠けているとのお言葉に私は....