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和らげる
「和らげる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
和らげるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ずつ抱きあげてそうそうに帰っていったのを、名人は微笑とともに見送りながらことばを
和らげると、やさしく小娘にききました。 「あのとおり、みんなが騒いでじゃ。おじさ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
が、ある偉大な妖術者がこの木を切って不思議な琴をこしらえた。そしてその頑固な精を
和らげるには、ただ楽聖の手にまつよりほかはなかった。長い間その楽器は皇帝に秘蔵せ....
「狂乱」より 著者:近松秋江
かさないのであろうか。 それで、私はしばらくそこにいない方が女の焦立った気分を
和らげるによかろうと思って、重ねて、母親に風呂敷包みなどを持ち出さぬようにいいお....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
を持っていたと同時に、十数年以前からのこれらの親しかった旧い同志等の確執や冷淡を
和らげるという、特殊の一目的をも持っていた。が、それは無駄だった。僕等の間には、....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
gend である。この徳のみが謙遜な人を隠遁から止めるのである。人と人との争いを
和らげるのである。キリストの教えは詮ずるところ「互いに赦し合って仲よくせよ」との....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ザルスを亡き者にすることが出来ないまでも、せめては彼の顔から受ける恐ろしい印象を
和らげる事ぐらいは出来るであろうという意見で、腕のある画家や、理髪師や、芸術家ら....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
ものではなしに、本当の刑罰なのじゃ。つまり真に人を恐れおののかせると同時になだめ
和らげるような、自分自身の良心の認識中に納められている本当の罰なのじゃ」
「それ....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
、このインキ壺を涸《か》らすだけのものがあるだろう。――そのうえ、それらの苦悶を
和らげる唯一の方法はそれを観察することであるし、それを描きだすことによって私の気....
「孤独者の愛」より 著者:豊島与志雄
は思う。埋め火のほかほかした温かみ、布団のしなやかな柔かみ、それが如何に人の心を
和らげることか。私にとって、澄江は丁度そのようなものだ。 然し、澄江は全く別な....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
。茨を踏んで、痛みと血をまた夢にかよわせましょう。しかし、末起の苦痛をすこしでも
和らげることも、お姉さまの、神聖な義務だと思いますわ。末起は、あたくしが贈った本....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
煙突の林立も、およそ文化といい機械という雑色のなかにあってさえも、この沈鬱の気を
和らげるものではない。 ところが、四十町七丁目側の石崖が崩壊して、折角あった、....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
なで嬉しがって喜ぶのを見れたでしょうに! 兄さんがいま帰って来ても、どんなものも
和らげることのできない不幸を共にするだけだ。だけど、兄さんが居てくれれば、不幸の....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
がある。私は笹川の得意さを想うと同時に、そしてまた昨日からの彼に対する憤懣の情を
和らげることはできないながらに、どうかしてH先生のような立派な方に、彼の例の作家....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ろは乞食をして、それで夜はいつもお説教です。そのお説教がなかなか同伴の人らの心を
和らげる利き目がある。もしそうでなければ、私はその人らのために危く殺される筈です....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
。 彼らはまた弓弦を行商する。弓弦は武士ばかりでなく、昔は普通の民家で綿を打ち
和らげる為に使用し、その需要が多かったのである。その売声の「弦召し候らへ」と云う....