和毛[語句情報] » 和毛

「和毛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

和毛の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
った。翁は疲れ切って満足した。瓜わらべにちょっと頬ずりして土に置いた。瓜わらべの和毛《にこげ》から放つらしい松脂の匂いが翁の鼻に残った。 翁はしばらく息を入れ....
海流」より 著者:宮本百合子
れた。隈ない光を浴びている順二郎のふっくりとした柔和な顔は幾分蒼ざめて、鼻の下に和毛の微かな陰翳はごみっぽいような疲れたような感じに見える。彼はさっきからひとこ....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
とも知らなかった」 保のまぶたはぽってりとしていて、もみ上げや鼻の下に初々しい和毛《にこげ》のかげがある。 「さっき来たばっかり」 伸子は、ちょっと黙ってい....
道標」より 著者:宮本百合子
のアルメニア美人は上唇のわきに髭があるんです」 そう云えば、赤い円い上唇の上に和毛《にこげ》のかげがあった。|ВОКС《ヴオクス》の美人については、秋山宇一が....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
て、雉に似た褐色の羽の下から、腹へかけて白い羽毛が、もみくしゃに取り乱され、脚の和毛が菅糸のように、ふわふわ空に揺られている、可愛そうだと言った口で、今夜私も一....
農村」より 著者:宮本百合子
思うほどの毛むくじゃらで、髯は八の字に非常な勢ではね上り、その他の顔中、こまかい和毛《にこげ》の黒いのが一杯に掩うて太陽に面して立った時は、嘘でも御まけでもなく....