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咯
「咯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
咯の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「橇」より 著者:黒島伝治
んて!」 木村は、ときどき話をきらして咳をした。痰がのどにたまってきて、それを
咯き出さなければ、声が出ないことがあった。 彼は、シベリヤへ来るまで胸が悪くは....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ませたなどと云うのは、実に忌々《いまいま》しい。正忠の茶に招かれて、帰宅して血を
咯《は》いたことは有ろうが、それは病気の故で有ったろう。無い事に証拠は無いもので....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
はいた。それに、年がまだ二十六歳だったので、初々しくさえあり、池田屋斬込みの際、
咯血しいしい、時には昏倒しながら、十数人を斬ったという、精悍なところなどは見られ....
「日記」より 著者:宮本百合子
ると零下幾度とか云うことだ。昨夜A、床につこうとして身動きをする拍子にまた相当に
咯血。どこから出るのかわからないとは云うものの肺だろう。精神衝動でA手足がつめた....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
井氏財政の事ども承知いたし候」とあり、「当郡病院長澄川といふもの参り話に小金井は
咯血したり云々と東京より申来との事に候。尤
咯血したりとて必ず死すとも限らねど或は....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
の肺を病んだのは余の面会する二、三年前の事であったので、余の逢った頃はもう一度|
咯血した後ちであった。けれどもなお相当に蛮気があった。この時もたしか艪を漕いだか....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
があったのによるのであろう。 二 明治二十九年の夏に子規居士が従軍中|
咯血をして神戸、須磨と転々療養をした揚句松山に帰省したのはその年の秋であった。そ....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
に何事も思うに任せません。第一の難関を突破して一週間ほど過ぎたある夜、私は突然|
咯血をしたのです。 人工心臓研究の第一段を終ったのは、生理学教室へはいってから....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
困るねえ、何も。」と予は面を背けぬ。ミリヤアドは笑止がり、 「それでも、私は血を
咯きました、上杉さんの飲ませたもの、白い水です。」 「いいえ、いいえ、血じゃあり....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
冴えた、とその道のものは云った。が惜しいかな――去年の冬、厳寒に身を疼んで、血を
咯いて、雪に紅の瓜を刻んだ。 昭和二(一九二七)年五月....
「二面の箏」より 著者:鈴木鼓村
世を去ったのである、さすがの夫もまさかこの夜は傍に居たかと思いの外、この夕方女は
咯血をして、非常に衰えていたのを見知っていながら、夫は母と共に外出して夜更けても....
「病」より 著者:正岡子規
のだから、呼吸器の病に罹《かか》って居る自分は非常に陰気に窮屈に感ぜられる。血を
咯《は》く事よりもこの天井の低い事が一番いやであった。この船には医者は一人居たが....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
申《もうし》ます。強壮な人でも多量に用いると害になりますが脳の悪い人や肺病で血を
咯《は》く人やあるいは心臓の悪い人や妊娠中の婦人や脚気《かっけ》病人や眼病の人に....
「深夜の客」より 著者:大倉燁子
、 「父は机の前に俯伏せになって――、死んで居りました。四辺は一面の血――」 「
咯血なすったの?」 「いいえ。たぶん泥棒に――、心臓に短刀が刺っていました。――....