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咳一咳
「咳一咳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
咳一咳の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「霊感!」より 著者:夢野久作
の事件の経過を読み上げ終りますと、裁判長のウイグ氏は徐ろに壇上に立ち上りまして、
咳一咳、次のような演説を初めました。 「本官は只今からこの事件に対する最後の解決....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
証人等に打ってかゝる事があるので、かくは厳重に警戒せられたのである。 裁判長は
咳一咳、之より審理を更新すると告げ、例によって被告の氏名年齢等を順次に問い質し、....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
|没落は三十三年前の再昨日であった。塩田君はやおら琵琶を抱え、眼を半眼に開いて、
咳一咳。外は天幕総出で立聞く気はい。「夫れ――達人は――」声はいさゝか震えて響き....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
を呑まれてぞ見えたりける。
その時虹汀、大勢に打ち向ひて慇懃に一礼を施しつゝ、
咳一咳して陳べけるやう、這は御遠路のところ、まことに御苦労千万也。かゝる不届の狼....
「戦場」より 著者:夢野久作
い土盛りの中央に月の光を背にして立った。今一度、勢よく軍刀の※を背後に押しやって
咳一咳した。振返ってみるとヴェルダンの光焔が、グングンと大空に這い昇って、星の光....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
の如くに光を失わずにはおられなかった。 「そもそも鯨というものは」……というので
咳一咳。先ず明治二十年代の郡司大尉の露領沿海州荒しから始まって、肥後の五島列島か....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
りと入った、青年は我を忘れた風でひょいとその頸を縮めたが、立直って、えへん内証の
咳一咳。 「さあ、こちらへ、私が加茂川で。はあ、」と仰向いて挨拶をする。これはあ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
が、今でも眼前にちらついてならんでがすて。」 鼻を詰らせながら、掌で口を拭って
咳一咳。 「私もな、昨年一人、末ッ児を亡くしたですが、それを思い出してもこんなじ....