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品位
「品位〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
品位の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
、おとよは物も言わないで、その紐を結び直してやる。おとよは身のこなし、しとやかで
品位がある。女中は感に堪えてか、お愛想か、 「お羨ましいことねい」 「アハヽヽヽ....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
景として一日中自動車の洪水が渦巻いているプラス・ド・マデレンの一隅にクラシックな
品位を保って慎ましく存在するレストラン・ラルウ、そこから程遠くないグラン・ブール....
「岡本一平論」より 著者:岡本かの子
うした放埒な、利己的な生活のなかにも、氏には愛すべき善良さがあり、尊敬すべき或る
品位が認められました。 四五年以来、氏はすっかり、宗教の信仰者になってしまいま....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
路を練りありくそれとは同じからず。芸に忠にして、技に実なる、小親が世における実の
品位は神ありて知りたまわむ、うつくしき蒲団に坐る乞食よと、人の口さがなく謂わば言....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
紋を襲ねた、黒髪の艶かなるに、鼈甲の中指ばかり、ずぶりと通した気高き簾中。立花は
品位に打たれて思わず頭が下ったのである。 ものの情深く優しき声して、 「待遠か....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
高家の室となさんという心である。されば少年がその意気と、その容貌と、風采と、その
品位をもってして誰がこれを諾わざるべき。拓が身をもってお雪と地位をかえたとすれば....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
年齢は二十歳余り、顔は丸顔の方で、緻致はさしてよいとも言われませぬが、何所となく
品位が備わり、雪なす富士額にくっきりと黛が描かれて居ります。服装は私の時代よりは....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
る間は或はそうであるかも知れない。しかし、其の人格の感情が目覚め其の市民としての
品位を自覚するようになれば、民衆は斯くの如き従僕芸術に恥じなければならない。そし....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
の観あるは、誠に嘆しき次第である、それに換うるにこれを以てせば、いかばかり家庭の
品位を高め趣味的の娯楽が深からんに、躁狂卑俗蕩々として風を為せる、徒に華族と称し....
「決闘場」より 著者:岡本かの子
や上眼瞼に青筋のある神経質の小さな顔を怪訝に曇らせる。彼女の顔は晴れても曇っても
品位を失わない顔立だ、調って正確な顔だ。彼女はロンドンの大抵の女のように痩せて堅....
「謡曲と画題」より 著者:上村松園
つけるとか、貞操の観念を強調するとか――とにかく謡曲のなかにうたわれている事柄は
品位があって格調の高いものであり、それを肚の底から声を押し上げて高らかにうたうの....
「健康と仕事」より 著者:上村松園
考をもとめたが寿陽公主にぴったりした髪が見つからなかった。 髪の形で公主という
品位を生かしもし殺しもするのでずいぶんと思い悩んだが、構図がすっかり纒まってから....
「三味線の胴」より 著者:上村松園
少ない。目が美しかったり、口元がきれいだったりする人があるが、この人のような高い
品位のある顔立、これはああいう名門の一つの貴族型というものがあるでしょう。文展の....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
。今、政府の事業たる高山危峰のごとし、民間の事業たる広原大沢のごとし。もし、その
品位の高低を較すれば、民間の事業はあるいは政府の事業に及ばざるも、二者中いずれが....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
遺憾といわなければなりません。総理みずからは、予算委員会に於て、一国の総理として
品位を落すがごとき暴言を口にし、議員並びに国民を侮辱し、懲罰委員会に付せられてお....