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哮
「哮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
哮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ん。
が、その中でもさすがに摩利信乃法師《まりしのほうし》は、徐《おもむろ》に
哮《たけ》り立つ非人たちを宥《なだ》めますと、例の怪しげな微笑を浮べながら、私ど....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た。
犬は咄嗟《とっさ》に身を飜して、危く彼の太刀を避けた。と同時に女たちは、
哮《たけ》り立った彼を引き止むべく、右からも左からもからみついた。が、彼はその腕....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
これを釈明しろ。いや出て来られまい。釈明の仕様がないのだからナ」 動坂三郎の咆
哮の下にあって、僕はもう生きた気持もなかった。――そのときだった。 「諸君! 高....
「爬虫館事件」より 著者:海野十三
は犯罪者特有のちょっとした掻乱手段です」 「出鱈目だ、捏造だ!」 鴨田は尚も咆
哮した。 「では已むを得ませんから、最後のお話をいたしましょう」帆村は物静かな調....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
想の世界を拓かんとする羊の如く山の奥に逃げ込まずに獅子の如く山の奥から飛出して咆
哮せよ。 二十五ヵ年の歳月が文学をして職業として存立するを得せしめ、国家をして....
「恐竜島」より 著者:海野十三
に同感して、安堵《あんど》の色をあらわした。 この洞穴にも、怪獣のおそろしい咆
哮《ほうこう》がひびいてきた。銃声はもうしない。 いったい崖の上では、どんなこ....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
白骨になるではないか。撃つのはしばらく待て!」 猛獣は、ものすごい声をあげて咆
哮する。どれもこれも、腹がへっているらしい。この咆
哮につれて、檣の下には刻々と猛....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
い……。 「ううーッ……うぬッ」 八十助は血と汗とにまみれながら、獣のように咆
哮し、そして藻掻いた。 そのときだった。実にそのときだった。 なんだか一つの....
「雷」より 著者:海野十三
今日只今、お前たちの上にうちつけてやるのだ。うわッはッはッはッ」 その物凄い咆
哮に和するかのように、流れるような雨脚とともに、雷鳴は次第次第に天地の間に勢を募....
「流線間諜」より 著者:海野十三
えと熱をとられ、そして靴が管壁に当ってたてる音がワンワンと反響して、まるで鬼が咆
哮している洞穴に入りこんだような気がした。一体この空気管はどこへ抜けているのだろ....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
眼を光らせた虎が一匹、忽然と岩の上に躍り上って、杜子春の姿を睨みながら、一声高く
哮りました。のみならずそれと同時に、頭の上の松の枝が、烈しくざわざわ揺れたと思う....
「おびとき」より 著者:犬田卯
んでいねえで。」 「ああ、五十日ぶりの酒だ。腹の虫奴ん畜生がびっくりしてぐうぐう
哮えてしようねえ。」 「俺の腹も一人前の顔してぐうなんて、鳴ったよ。ああ、じりじ....
「競馬」より 著者:犬田卯
れた。彼は店先の柱につかまって両眼をぐりぐりと剥いたが、次ぎの瞬間猛獣のように咆
哮した。「よし、畜生、取っつかめえて叩っ殺してやる。どこまででも畜生、東京まででも追って行んから……」....
「米」より 著者:犬田卯
々が首をもたげたほどの声で、家付娘の特権を振りまわした。 「ばか阿女、いくらでも
哮えろ」と浩平は気圧され気味で、にっと笑った。「山の神なんか黙って引っ込んでいれ....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
る処もまたその撰にもれぬ。人為では、とてもそんな真似は覚束ない、平生名利の巷に咆
哮している時は、かかる念慮は起らない、が一朝|塵界を脱して一万尺以上もある天上に....