»
哮り
「哮り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
哮りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ろめきながら哮《たけ》った。 翁も寝床から這《は》い出して来た。熱い息をふいて
哮り立っている二人を引き分けて、だんだんにその話をきくと、彼も長い眉を子細らしく....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れねえぞ。もうその手を食うものか、耳をそろえて直ぐに渡せ」と、馬子は嵩にかかって
哮り立った。 「嘘をつく訳じゃねえ。今ここにねえから我慢してくれと云うのだ。近所....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
うした絶望が彼を駆り立てて、レヴェズは立ち上ると胸を拳で叩き、凄惨な形相をして、
哮りはじめた。
「法水さん。この事件の悪霊と云うのは、とりもなおさず貴方のことだ....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
「どうか何分にも願います」 とお竹の後に附いて悄々と二階を下りる。此方は益々|
哮り立って、 甲「さア何時までべん/\と棄置くのだ、二階へ折助が昇った限り下りて....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
煮えかえりつ。湾を隔つる桜山は悲鳴してたてがみのごとく松を振るう。風|吼え、海|
哮り、山も鳴りて、浩々の音天地に満ちぬ。 今なり、今なり、今こそこの玉の緒は絶....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
間が入って来ると、谷間の底に潜んでいる風が、鎖を繋がれながらも、それからそれへと
哮り狂って、のた打ち廻り、重い足枷を引き擦り引き擦り、大叫喚をしているのであろう....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
ら、伴藏は 「オヤこの阿魔」 といいながら拳を上げて頭を打つ、打たれておみねは
哮り立ち、泣声を振り立て、 みね「何を打ちやアがるんだ、さア百両の金をおくれ、私....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
眼を光らせた虎が一匹、忽然と岩の上に躍り上って、杜子春の姿を睨みながら、一声高く
哮りました。のみならずそれと同時に、頭の上の松の枝が、烈しくざわざわ揺れたと思う....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
、何事が起こったのであろうか、ドドドドンと、けたたましい太鼓の音。それが、海波の
哮りを圧して、望楼からとどろき渡った。 「慈悲太郎、どうじゃ。見えるであろうな。....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
って見ても知れる筈であるのに、何が不足でこの播磨を疑ったと、彼は物狂わしいほどに
哮り立って、力任せに孱弱い女を引摺り廻してむごたらしく責めさいなんだ。女の白い頬....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
いる。そして、煙霧のかなたからごうごうと轟いてくるのが、「太平洋漏水孔」の渦芯の
哮りか……。 折竹は、それをキューネの絶叫のように聞きながら、魔海からの通信を....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
金貨や銀貨をつかんで、青蛙に叩き付ける。)さあ、息子をかえせ、娘を返せ。 (李は
哮り狂って、手あたり次第に金貨や銀貨をなげ付け、更に卓の上のピストルを把れば、高....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
はその太刀をおいて、更にそこに立てかけてある長巻をとった。彼は物に憑かれたように
哮り狂って、その長巻を掻い込んで、板縁からひらりと飛び降りると、男は足をあげて篝....
「勘平の死」より 著者:岡本綺堂
ねえ。 文字清 ええ、放して下さいよ。 幸次郎 いけねえ、いけねえ。 (文字清は
哮り狂って店へあがろうとするを、おくめと幸次郎は一生懸命にひき戻そうとして争った....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
耐えぬ。またこのさき、いつまでそんな偽装をかまえてはいられぬ」 と、異口同音な
哮りで。 「一味連判のうえは、大望は殿おひとりのものではない。殿にはどこか弱気も....