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「唐墨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

唐墨の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
らないような、しかも心をこめたものばかりであった。多吉からは黄色な紙に包んである唐墨。お隅からは半蔵の妻へと言って、木曾の山家では手に入りそうもない名物さくら香....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
村の人達が墨を借りに来た。幸い持合せの些泥臭いが見かけは立派な円筒形の大きな舶来唐墨があったので、快く用立てた。今夜見れば墨痕美わしく「彰忠」の二字に化って居る....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
器で、木戸口へ呼出すように楽には行かない。なかなかもって、アテナ洋墨や、日用品の唐墨の、筆、ペンなどでは追っつきそうに思われぬ。彫るにも刻むにも、鋤と鍬だ。 ....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
薫物を送り、あるいは養性のためにせよとて蒲穂子を贈り、筆の材料にとて兎毛を贈り、唐墨を贈り、旅から帰ると、旅先の名物と称せらるる器物や食物や反物などを土産とし、....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
印などもまじっている。蝋石の頭に獅子の鈕みを彫った印材のままのものがある。箱入の唐墨がある。雌黄なんどの絵具類をまとめた袱紗包がある。そんなものが匣の大半を埋め....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
歿、それ切になり居候。 拝啓。先人の小伝わざわざ御返し下され恐れ入候。台湾名物|唐墨下され、有難く存上候。酒伴の最好物に候。私事十六日上総へまゐり、昨夜帰宅仕候....
南画を描く話」より 著者:中谷宇吉郎
もらって、その印象が残っているだけに厄介である。 中村さんの『墨色図鑑』には、唐墨《とうぼく》の思わず眼をみはるような美しい墨色がいくつも載《の》っていた。中....