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「唐手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

唐手の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
あれ位の男っぷりは、まず無いね。喧嘩もやけに強くて、牢に入ったこともあるんだよ。唐手《からて》を知って居るんだ。見ろ、この柱を。へこんで居るずら。これは、二階の....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
がて、須磨、明石、姫路、岡山へと中国筋に伸びて、遂に九州の南の端にも及び、琉球の唐手術も佐助の前には、脆かった。 佐助の自尊心は、ここに到って、アバタのひけ目....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
り何かして、済みませんが、出所も確かな物ですから、お目にかけますが、それに八丈の唐手の細いのが一枚入って居ります、あとは縞縮緬でお裏が宜しゅうございます、お平常....
馬庭念流のこと」より 著者:坂口安吾
紙にぶらさげた青竹をわる。これは石を拳骨でわるのと共に、田舎の祭礼や縁日なぞに唐手使いと称する香具師がやって見せる芸である。むろんその香具師は薬を売るための客....
正午の殺人」より 著者:坂口安吾
、それに小部屋がいくつか附属しているだけである。当年六十歳の神田兵太郎は数年来|唐手に凝っている。仕事の合間にこの大広間で唐手の型をやって小一時間も暴れまわった....
明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
いつきかも知れないが、現代の忍術使いの教祖がまことしやかに説いては話にならない。唐手秘伝と称して、縁日なぞで、紙にブラ下げた青竹を木刀で割って見せて、薬なぞ売っ....
魔都」より 著者:久生十蘭
ついてフランスへ行き、あちらの踊りも充分見て来たひと。 踊りで鍛えたこの指先は唐手の突きほどに見事極って、印東はもろくも花の背から転げ落ちる。足の裏で天井を蹴....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
髷はガックリと横に曲り、涙が伝わって襦袢の半襟が濡れて居りまする。着物は黄八丈の唐手の結構な小袖に、紫繻子に朱の紋縮緬の腹合せの帯でございますが、日暮方ゆえ暗く....
私の青年時代」より 著者:山之口貘
通じる日本人が、即ち亜熱帯に生れた僕らなんだと僕はおもふんだが、酋長だの土人だの唐手だの泡盛だの、同義語でも眺めるかのやうに、世間の偏見達が眺めるあの僕の国か!....