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唐獅子
「唐獅子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唐獅子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《つきじ》居留地の図は、独り銅版画として興味があるばかりでなく、牡丹《ぼたん》に
唐獅子《からじし》の絵を描いた相乗《あいのり》の人力車《じんりきしゃ》や、硝子取....
「恩を返す話」より 著者:菊池寛
新たにした。 その上に、惣八郎は秘蔵の佩刀《はいとう》の目貫《めぬき》に、金の
唐獅子の大きい金物を付けていた。それを彼は自慢にしているようであった。誰かに来歴....
「家霊」より 著者:岡本かの子
ってな――」と工人らしい自負の態度を取戻す。牡丹《ぼたん》は牡丹の妖艶ないのち、
唐獅子の豪宕《ごうとう》ないのちをこの二つの刃触りの使い方で刻み出す技術の話にか....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
える。 きょうも明るい日が大きい甍を一面に照らして、堂の家根に立っている幾匹の
唐獅子の眼を光らせている。脚絆を穿いたお婆さんが正面の階段の下に腰をかけて、藍の....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の様な次第高の立派な観劇場になり済ました。坂の中段もとに平生並んで居る左右二頭の
唐獅子は何処へか担ぎ去られ、其あとには中々馬鹿にはならぬ舞台花道が出来て居る。桟....
「葉」より 著者:太宰治
一束の花を持ってここへ電車でやって来て、東京市の丸い紋章にじゃれついている青銅の
唐獅子の下で、三四時間ぐらい黙って立っているのである。 日本のひとは、おちぶれ....
「Liber Studiorum」より 著者:寺田寅彦
爆破の瞬間に四方にはい出したあのまっかな雲は実に珍しいながめであった。紅毛の
唐獅子が百匹も一度におどり出すようであった。 くずれ終わると見物人は一度に押し....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ある。どうでも日本風の釜ではない。古代唐風の釜である。火炉もやっぱり唐風である。
唐獅子の首だけを切って来て、押し据えたような形である。ワングリ開いた巨大な口！ ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
飾られてあった。殆ど一坪を要する木彫の大亀であった。用材は楠である。それは地車の
唐獅子の如く、眼をむいて波の上にどっしり坐り、口を開いて往来をにらんでいるのであ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
大安寺の藤は遊んでいる、永納の証ある『鷹』は見ましたけれど、毛利家にあるという『
唐獅子《からじし》』を見る機会を得ないのが残念です。われわれが、無位無官の田舎絵....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
わけじゃねえんだが」 「あのお寺の大きな床いっぱいに、狩野山楽の牡丹《ぼたん》に
唐獅子が描いてあって、とても素晴しいのですってね、米友さん見なかった？」 「おい....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
日光。 「奉天まで」 ゆるいカアキイ色の起伏。 展望車に絵葉書がおいてある。
唐獅子の画に註して曰く。「現今民国有識階級ニ於テハ華国ハ眠レル獅子ナリト言ヒナサ....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
暴になった。果たしてどうなることだろう？ で、黙っているのである。 狩野永徳の
唐獅子の屏風、海北友松の牡丹絵の襖、定家俊成の肉筆色紙を張り交ぜにした黒檀縁の衝....
「春の修善寺」より 著者:岡本綺堂
。 きょうも明るい正午の日が大きい甍を一面に照して、堂の家根に立っている幾匹の
唐獅子の眼を光らせている。脚絆を穿いた老婆さんが正面の階段の下に腰をかけて、藍の....
「霊廟」より 著者:永井荷風
には、金光燦爛《きんこうさんらん》たる神壇、近く前方の右と左には金地《きんじ》に
唐獅子《からしし》の壁画、四方の欄間には百種百様の花鳥と波浪の彫刻を望み、金箔の....