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唯一無二
「唯一無二〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唯一無二の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ゼラール中尉」より 著者:菊池寛
ってまずリエージュを衝《つ》くというのである。彼は戦術上からそれが独軍の採るべき
唯一無二の方法であると極論した。が、これに対してガスコアン大尉は、協約の効力を力....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
そんな意味には取れやしない」 「そんなこと、ございませんわ。あなた様は水戸さんの
唯一無二の御親友で……」 「
唯一無二の親友であっても、そこまでは気がつきやしない....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
とだ。 お前はまた私に帰って来る前に、お前が全く外界の標準から眼を退けて、私を
唯一無二の力と頼む前に、人類に対するお前の立場の調和について迷ったかも知れない。....
「地球盗難」より 著者:海野十三
強いられるかもしれん。その無理世界を確認した暁には、われわれは逆に今日われわれが
唯一無二だと信じているこの実在世界の絶対性を否定して、今まで実在世界だと思ってい....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
ものであるが、あの中の詩二篇、訳詩一篇は、いまでも私の暗い胸のなかに灯をともす。
唯一無二のもの。不朽のもの。書簡集の中には絶対にないもの。 文章の中の、ここの....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
に限ろう。神と同じく他の凡てのものにとっては無である自分、自分の凡てである自分、
唯一無二である自分の上に」(『唯一者とその所有』――岩波文庫訳)、である。「自分....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
い得らるる奉公の道ではないかとも考えられるのである。 しかし、科学者の考え方は
唯一無二のものではない。また科学者の成しうるすべては、ただ可能性の指摘あるいは暗....
「連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
という前提のもとに考えを進めたのであるが、これは多くの中の一つの考え方であって、
唯一無二の考え方ではない。これよりももっと適切で有効な比較はいくらもあるであろう....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
はならぬ。しかし教会が処罰を差し控えるおもなる原因は、教会の裁判は真理を包蔵する
唯一無二のものであって、したがって、たとえ一時的な妥協にもせよ、他のいかなる裁判....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
上先生、そんなふうに私を見損つちやいけないな。そもそも紳士道といふものは、こゝに
唯一無二の規約がある。それはあなた男女たがひに誰を口説いてもよろしいけれども、友....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
う少し思い切ってやらなくちゃ駄目さ。僕はそう思うな。この女こそ自分の一生を賭けた
唯一無二の女性だと云う確信がついたら、早速、自分の心情を率直に打明けなけりゃ問題....
「美の日本的源泉」より 著者:高村光太郎
なるであろうと想像される。 夢殿の救世観世音像は、こういう意味で古今を独歩する
唯一無二の霊像であり、彫刻美としてのみ語るのはまことに心無きわざとなるのである。....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
京住まいをしたけど、なんとなく潤いある情味に乏しい。でも、木村君に取ってはそこが
唯一無二の故郷なのだ。そして、無上の愛着を感じているという。 木村名人の気持ち....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
うに恐れていた。それ故に医薬よりは迷信を頼ったので、赤い木兎と赤い達磨と軽焼とは
唯一無二の神剤であった。 疱瘡の色彩療法は医学上の根拠があるそうであるが、いつ....
「はつ恋」より 著者:神西清
いじめたりした。いったい、他人のために、その最大の喜びや、その底知れぬ悲しみの、
唯一無二の源泉になったり、またはそれらの、絶対至上にして無責任な原因になったりす....