唱える[語句情報] »
唱える
「唱える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唱えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
に焼かれた物なら、こんなに清浄ではいない筈です。さあ、もう呪文《じゅもん》なぞを
唱えるのはおやめなさい。」
オルガンティノはやむを得ず、不愉快そうに腕組をした....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
を忘れそうな危険に脅《おびやか》され始めました。そうかと云って、あの婆は、呪文を
唱える暇もぬかりなく、じっとこちらの顔色を窺いすましているのですから、隙《すき》....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
珍重されたのは占筮術と魔術であった。エジプトの学者たちは、ある一定の方式の呪文を
唱えると河の水をその源へ逆流させ、太陽の運行を止めたりまた早めたり、またまじない....
「蠅男」より 著者:海野十三
ッ」 と、蠅男は附け髯のなかから哄笑した。 「手前こそ、今度こそは本当に念仏を
唱えるがいい。この室から一歩でも出てみろ。そのときは、手前の首は胴についていない....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
お……)老人の顔に、狼狽と喜びの色とが同時に走った。 (ああ神よ)老人は口の中で
唱えると、再びがっくりとなって椅子にうなだれ、目を閉じた。老人は、そばにいる少年....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
れなければ、民衆の迷惑は大きいわけですからね」 「それはそうだ」 警部は帆村の
唱える予算増加案に礼をいおうと思っているうちに、話がまた変な見当へ向きをかえたの....
「地球要塞」より 著者:海野十三
態が必ず向うからやってくるであろう。それを考えると、私は、迚《とて》もばんざいを
唱える気にはなれなかったのだ。 別れの盃《さかずき》――本国からの呼び出し....
「太平洋雷撃戦隊」より 著者:海野十三
す。思わずグッと握りしめた拳に、ねっとり汗が滲みでました。 「皇国のために万歳を
唱える」艦長は静にいいました。しかしその両眼は忠勇の光に輝いていました。 「大日....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
。そのウララ夫人が急に博士を殺すとは考えられませんね」 「オヤオヤ、君も反対論を
唱えるんだネ」 「ほう、すると外にも反対論者が居るのですか」 「そうなんだよ。私....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
いい。蕎麦は二銭さがっても、このせち辛さは、明日の糧を思って、真面目にお念仏でも
唱えるなら格別、「蛸とくあのく鱈。」などと愚にもつかない駄洒落を弄ぶ、と、こごと....
「古狢」より 著者:泉鏡花
です。おなじ発心をしたにしても、これが鰌だと引導を渡す処だが、これじゃ、お念仏を
唱えるばかりだ。――ああ、お町ちゃん。」 わざとした歎息を、陽気に、ふッと吹い....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
発心の涙が乾いて、おのずから果敢ない浮世の露も忘れる。 いつとなく、仏の御名を
唱えるのにも遠ざかって、前刻も、お前ね。 実はここに来しなであった。秋谷明神と....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
が出るが、その者は、何となく、幽霊を済度しそうな、怪しい、そして頼母しい、呪文を
唱える、堅固な行者のような風采を持ってるから、衆の忌む処、かえって、底の見えない....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
語らず、またかかる善根功徳、人が咎めるどころの沙汰ではない、もとより起居に念仏を
唱える者さえある、船で題目を念ずるに仔細は無かろう。 されば今宵も例に依って、....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
これにもまた唱え言がある。すなわち、梵語の言で「あびらうんけんそわか」という語を
唱えるのであります。また、目に物が入ったときは、おもしろいマジナイがあります。ま....