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唱和
「唱和〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
唱和の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
めたものか、まことしやかなもみ数珠《じゅず》の音につづいて、もったいらしげな称名
唱和の声が伝わりました。 「ちきしょう、あの手この手を出しやがらあ。くやしいね。....
「久助君の話」より 著者:新美南吉
かったが、いっこうそんなことは気にせず、みんなが声をそろえてうたっていると、すぐ
唱和するので、みんなは調子がへんになって、やめてしまうのであった。だが、わる気は....
「俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
局、その句の脇の世界を持ち合わせているかいないかによるのである。 共同作者らの
唱和応答の間に、消極的には謙譲礼節があり、積極的には相互扶助の美徳が現われないと....
「「下じき」の問題」より 著者:宮本百合子
る、その日本の二十代の生活と文学の現実は、このようなものである。きょうの馬鹿囃に
唱和しない二十代であるからと云って、彼らの目、彼らの笑いをもたないと何人が云える....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
白雲が叱るけれども、この場合はあまり権威がなかったのです。それは玉蕉女史との応酬
唱和の興があまりに濃厚であったから、その叱る言葉も、ついつい上の空になって、相手....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
歌は受身でも機智が働いているからこれだけの親しい歌が出来た。共に互の微笑をこめて
唱和しているのだが、皇子の御歌の方がしっとりとして居るところがある。 ....
「決闘」より 著者:神西清
植え給えるこの葡萄園を見守らせ給え、訪い給え。』すると童子の群が天使のような声で
唱和する、『聖なる主よ。』…… 「補祭君、魚はどうした?」サモイレンコの声だ。 ....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
げずとも、ラッサがラマ教徒の聖都だという不変の証拠がある。数えきれぬ僧院と精舎で
唱和する読経の声が、鐃※と太鼓の伴奏で絶えることなく空中にただよい、メッカをめざ....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
門家の口頭に伝承せられていたのが、国家以前からの状態である。其が各、寿詞・歌垣の
唱和・新叙事詩などを分化した。かけあい歌が、乞食者の新叙事詩の影響をとり入れて行....
「越後の闘牛」より 著者:佐藤垢石
合わせるのが適当であろう。と、いう談合が円陣を作った各村の青年である牛方によって
唱和されると、これを飼主に諮って承諾を受ける。そこで、番組が定まった印に、拍手が....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
の「月の都」を懐にして露伴和尚を天王寺畔に訪うた時も、小説談よりもかえって俳句の
唱和の方が多かったようである。 京都清遊の後、居士はたちまち筆硯に鞅掌する忙裡....
「殺意(ストリップショウ)」より 著者:三好十郎
子さんであり ケイコのはじめには宮城をよう拝し 公演開幕の前には「国民の誓い」を
唱和する式で それも腹からまじめにやっている人が多いのです 私はそれを信じ よろ....
「西航日録」より 著者:井上円了
物の好都合に運びたるは、全く氏の好意に出ず。旅行中、氏の作もすこぶる多く、互いに
唱和したるものすくなからず。されどいちいち記憶せざれば、ここに略す。 ボンベイ....
「グーセフ」より 著者:神西清
じめる。「太初ありしごとく、現在あるごとく、常久に。」 「アメン」と三人の水夫が
唱和する。 帰休兵と乗組員は十字を切って、舷越しに波を覗き込む。人間が帆布に縫....
「三国志」より 著者:吉川英治
目的を達し、陳留王を立てて天子の位につけ奉り、百官もまた彼の暴威に怖れて、万歳を
唱和した。 そして、新しき皇帝を献帝と申上げることになった。 だが、献帝はま....